やっと一息ついたところで、5月1日に行ってまいりました。「探偵たちの鎮魂歌」。
去年はいまいちでしたが、今年はおもしろかったです!さすが10周年だけあって、サービス満点で楽しめました。

コナンくん>
今回の依頼人に新一くんだとばれている?!というのが話の主軸でしたね。ポスターのあおり文句見た時には、また正体バレ話か~とちょっと思いましたが、これはこれで新たな切り口で面白かったです。
なんというか、10周年記念でいろんな層にサービス満点な感じでしたね!(笑)平次×コナン熱に久しぶりにちょこっと灯がともりました…ええ、あの、事件が解決した後怪我をしたコナンくんをおぶって歩いている時に、「降ろせよ!」「まぁまぁ、無理すんなや」みたいな会話のあとマジで静かになって平ちゃんの肩に頭預けましたよね?!(笑)なんだそのサービス!(笑)わなわなしちゃいましたよ(笑)
しかしそれ以上にアレだ、キッド×コナン層にもサービス満点です(笑)なんだあのお互いの分かり合い具合は(笑)オープニングの状況説明&人物紹介も、何だかキッド特別扱いだし!(笑)「捜査の時、ずっと傍にいたからな」って何それ?!判っててて一緒にいたんですか?!一緒にいたいんですか?!(笑)みたいな(笑)
ただ、その分ちょっと、蘭ちゃんとのラブ具合は物足りなかったかな、っていう感じではありましたね。新一くんの声で「事件はオレが必ず解決する、だから蘭たちのIDを外してくれ!」って切羽詰って言われた時には愛を感じましたが…蘭ちゃんの無事を祈る→ミラクルランドの蘭ちゃんが呼ばれたようにふり返る…みたいなベタな演出があってもいいのになー、とは思いました。
アクションの方も相変わらず、構図というか流れというか、魅せるのはさすがだなーと思いました。特にバイクのチンピラ2人をボールを使って缶詰に埋めるシーン、チェイスの末にスケボーで橋を登って銃撃にバランスを崩して川に落下するシーン、最後の空中で天井に平ちゃんが刺した斧を支点に止めを刺すシーン。アクションの派手さと魅せ方はいつ見ても感心させられます。
…って、川に落ちたコナンくんを助けたのも探くんですか、ふぅん、へえぇ(笑)途中で置き去りにされつつもずっとコナンくんを追ってたわけですね、うふっ(笑)
全体的に作画も安定していましたし、服の可愛さはうんまあともかくとして(というか劇場版の服のセンスはいつもどうかと思うんです…)コナンくんの魅力を最大限に見せてくれたなーと思いました。

蘭ちゃん>
ひたすら何も知らずに守られてるヒロイン役?最後まで何も知らずに楽しい時を過ごさせてあげたい、っていう、コナンくんや小五郎さんや目暮警部たちのあったかい愛に包まれて、それでも優しく強い彼女らしさを垣間見ることが出来てよかったです。引ったくり犯を攻撃するシーンはもうちょっと派手でも良かったよなーとは思いました、久しぶりの蘭ちゃんアクションなのですし(笑)
それにしてもパンフレットの蘭ちゃんは去年に引き続き看板に偽り有りだわ…(笑)去年も蘭ちゃんが海に落ちたのを助け出すシーンがあるのだと期待に胸を膨らませていたのに…くっ(笑)

小五郎さん&英理さん>
おっちゃんかっちょええぇぇぇ!!神谷さんはこういう二枚目半なキャラクターをやらせると本当に天下一品ですよね。目暮警部とケンカすると偽って紙を渡したあのシーンにはしびれました。英理さんに弱音を吐くあのシーン、娘を助けられない無力さを感じて、英理さんにだけは本音を吐いて叱咤してもらう…ケンカしつつも途切れることのない大人の2人の絆がぐっと来ましたねー。そのあとの上機嫌な英理さん、秘書の「ダンナだなー?」の一言も可愛らしかったですv
ただまあ、娘の命がかかってるんですから、もうちょっとおっちゃん本領発揮しても良かったんじゃないのかなー?とは思いました。証人を見つけて、真実の一歩手前まで来て昏倒→目が覚めて失態といういつものパターンではありましたけども(笑)まぁ、それも含めて小五郎さんの魅力なのかなー。

哀ちゃん>
不憫な…(笑)毎度毎度、本当に哀ちゃんはコナンくんのためにがんばるのに報われない不憫な役割だと思います。蘭ちゃんや少年探偵団を不安がらせずに命を守り、最後まで楽しませてあげたいというコナンくんの気持ちを、あの短い通信で最大限に汲んで一生懸命細工をする涙ぐましい姿、誰か本当に真剣に誉めてやれ…(涙)「ずっと傍にいてね…」発言に萌えている場合ではない(笑)
本当に、蘭ちゃんとは別の角度からあれだけコナンくんを理解して手助けをしているのに、それを主張してコナン君の気を引こうとしないあたりがやっぱり、切ないながらも哀ちゃんの魅力であるのでしょうね。

平次くん&和葉ちゃん>
平ちゃんの魅力は一にも二にもコナン君とセットで発揮されるものだと思っているあたしにはさっき語った以上の萌えポイントは無いんですが…(笑)コナンくんとの息の合った推理合戦、ツーといえばカーの関係はもはや空気のような安心感がありますね(笑)せっかく鉄パイプ持ったんだからもうちょっと剣の腕を披露してくれても良かったのに…銃には敵わないか(笑)
そういえば和葉ちゃんは合気道だったなぁと、ぼんやりと思い出しました…(笑)蘭ちゃんと同じように、和葉ちゃんも平ちゃんの愛に包まれて何も知らずに楽しい時を過ごしたヒロインでしたが、何も知らないがゆえに平ちゃんに文句を言う様子もまあ、あの二人らしくてくすぐったく可愛いですね(笑)

キッド&探くん>
相変わらず、この人のかっこよさは反則です(笑)さっきも言いましたが、平ちゃんとはまた別の意味で、良きライバルであり最大の理解者、というコナンくんとの緊張感のある信頼関係がすごく良いですね。「銀翼」は何度も言いますが最高です。激萌え。コナンくんもキッドを「捕まえるべき悪党」というよりは、「次にどんなことをして出し抜いてくれるのかを楽しんでいる」フシがありますし…最後のジェットコースターのシーンも、緊迫感があって鮮やかで。あああキッドかっちょええなあ。深山美術館での最大の見せ場もただただうっとり。くそう反則だ。
ところで、あたしもうTVアニメを見なくなって久しいんですが、探くんの声って石田さんだったんですね……(笑)相変わらず贅沢なキャスティングだぜ…(笑)
でも、何で最後にIDを園子ちゃんのバッグに入れたんでしょうね?あれが変装のための偽物なら、わざわざ爆発処理班に回すためにあんなところに入れる必要はないのでは…探くんに変装して依頼を受けてIDをつけさせられたのだとしても時間軸的に変だし、何より探偵の判別は指紋でやってたんだろ?無理じゃね?ただのジェットコースターへの複線?ここだけちょっと??という感じでした。

少年探偵団>
み、光彦くんがピカチュウからかえでさんになってるよ?!あたしがアニメ見ない間に声変わっちゃったの?!と仰天しました…折笠さんはコナンの出演は犯人ばっかりなのですね…(笑)まぁ、ベーカー街は犯人というか、プログラムでしたが。あと、あんなにとっさに待ち時間計算が出来る小学1年生はナシだ。コナンくんと対比されてるからあまり目立ちませんが、光彦くんは実は意外にスーパー小学生ですよ?(笑)

警察の方々>
相変わらず、目暮警部はダンディーで、白鳥警部は声が良く(笑)、高木刑事は可愛くて、佐藤刑事はかっこよかったです(笑)約束の時間が近づいて、ほかの刑事たちを下がらせてから亜笠博士と共に蘭ちゃんたちの部屋に行き、もし何かあったときには守りきれなかった自分たちも共に行く覚悟で、という姿勢にぐっときました。平次パパ・和葉パパ・大滝ハンは、まあ、平ちゃんに頼まれてるのがばれちゃってえらいことに、という複線の処理が欲しかったところですが、もういっぱいいっぱいだな(笑)

園子ちゃん>
…相変わらず、この子は大財閥のお嬢様の癖して言ってることが庶民くさすぎますよね…(笑)何よ蘭ちゃんのID使ってタダで食べ放題って(笑)でも、引ったくり犯をマイペースにあしらうところは本当に彼女らしくて安心しました(笑)

ストーリー>
制限時間内に解決しないと自分はもちろん蘭ちゃんたちも木っ端微塵、という緊迫感とテンポのいい謎解きがぐいぐいと話に引き込ませてくれて、最後まで飽きずに楽しめるストーリー展開でした。ただ、ちょっとテンポが速すぎたかな、という感はあるかも。コナンくんと平ちゃんと探くんだけで納得しちゃって置いてけぼりにされちゃったなーという印象はありました。
推理ものの楽しみの一つに、探偵と一緒にヒントを得て、ああでもないこうでもないと考えて先を予測してみたり、犯人やトリックを自分なりに考えて、それでも最後にひっくり返されてしまう、逆の意味での爽快感ってあると思うんですよ。それが今回、ついていけるスピードじゃなかったなー、というのは感じました。結局何を謎解きしたらいいのかも、事件の全体像もぜんぜん見えないまま、謎解きの時に初めて事態を説明されて、はぁそうですか、と納得した感じ。そうだったのかー!という驚きは無かったです。ぶっちゃけ現金輸送・宝石泥棒(キッド)・射殺事件・女の自殺・容疑者の失踪の時間軸がよくわかんないままラスボス突入~、犯人自分語り~、バトルアクションで解決♪みたいな流れでしたね(笑)時間軸は実は今もよくわかんない(笑)
だから、今回は推理というよりは、制限時間を抱えてあちこちを奔走し、その一方で守るべき人たちがピンチになってみたり、捜査中に襲われてみたり、チェイスの末に怪我をしてみたり、怪我を押して乗り込んでいってバトルしてみたり、というサスペンス要素が強い話だったな、と思います。
横浜という広いフィールドを舞台にあちこち奔走して少ない手がかりから真実を解き明かしていく過程は非常に引き込まれて面白いものでした。
ただまあ…この依頼人は結局何を知りたくて、何をさせたかったのでしょうか?という疑問は残りました。自分が犯人だということを証明したかったのか?芸術的な犯罪を成しえなかった恨みをこれまた芸術的に晴らした自分、という確信を得たかったんでしょうか?芸術的な犯罪を成しえず、完璧な自分を愛していたと信じて疑わなかった女にいいように利用されただけだったという事実を、心のどこかで思っていつつも受け入れられなかった、だから自分を肯定してくれる事実を探り出すよう、探偵を雇った…ということ?そう考えると、「愛するものをなくすのがどんなに辛いか…」というあの「愛する者」というのは、清水麗子のことではなく、「完璧な犯罪を成し遂げた自分」だったということでしょうか。…キモっ。コナンくんの「あなたは、最低の人間ですね」という言葉に激しく同意ですよ。
その辺が、話の上で明らかにされずに見た人の想像に任されてしまうあたりは、うーんとちょっと思いましたね。
10周年ということで、これでもかとキャラクターが出てきましたが、みんなそれぞれでしゃばらず、なおかつ短い出番の中でそれぞれの魅力を最大限に表現していてすんなり楽しめました。これだけキャラクターが出てるのに、うるささをまったく感じませんでした。「迷宮の十字路」の時は、平ちゃんと和葉ちゃんのラヴ話と、新一くんと蘭ちゃんのラヴ話を両方盛り込んで、なおかつ新一くんが元に戻っちゃうっていう、どこに焦点を絞りたいのか詰め込みすぎておなかいっぱいな状態だったので…あたしは(苦笑)あたし絶賛の「銀翼」も、飛行機に乗せる人多すぎ、と思いましたし(笑)映画だから、たくさん盛り込みたいのはわかるんですけどねー、これが、うまくやらないと、盛り込めばいいってもんじゃないんだよ、という事態になってしまう。でも、今回はそんなうるささは感じさせずに、なおかつ一人ひとりが印象に残る役割を演じてくれたので、とても面白かったです。

全体として、10周年らしく、文句なく普通に面白かったです。これはもう一度見たいですね。DVDも欲しい感じです。その前に銀翼のDVD買わないとな…(笑)