石碑の部屋。 途方にくれる3人。 | |
| マジュール | …と、とにかく、いつまでも途方にくれている場合ではありませんね。状況を把握しないと。 |
| ゼクセア | そうね、他の人たちがどうなっちゃってるのか心配だし。 特にあの、ルナちゃん?気絶したっきりだけど、大丈夫かしら?まだマッチョの夢にうなされてたら可哀想だし… |
| キャティ | とにかく、みんなに連絡を取ってみるにゃ!通信アイテムが使えるはずにゃからね! |
| マジュール | そうか、そうですね。早速使ってみましょう。 |
| キャティ | あろーCQCQ!こちらキャティですにゃ、みんな無事ですかー?聞えますかにゃー?どうぞー! |
しばらくの沈黙の後、通信アイテムから声が。 | |
| ミケ | こちら、ミケですー。キャティさん、無事ですか? |
| 白夜 | こちら、白夜だ。状況を確認したい。どうなっている? |
| キャティ | あ、ミケさんと白夜さんにゃ!無事でよかったにゃん! |
| マジュール | マジュールです。ここにはキャティさんとゼクセアさんがいます。変な石碑がある空間に出てしまって…どうやら、仕掛けを解かないと先には進めそうにありません。 |
| ミケ | こちらは、レティシアさんとアッシュさんがいます。どういう状況かは…その……あまり口にしたくないんですが、どうやらここも何らかの仕掛けをクリアしないと先には進めないようですね。 |
| アッシュ | ふっ。この程度の障害でわが行く手を阻めると思うなよ!天才の名が伊達ではないことを思い知らせてくれる。はーっはっはっは!! |
| レティシア | ふふ…ふふふふ…ミケと二人で密室…そして着せ替え…ふふふ… |
| 白夜 | …何だかそちらはそちらで大変そうだな…別の意味で。こちらはルナ嬢とリィナ嬢、それから私とトカゲの3名と1匹だ。 |
| アリヤ | だぁらトカゲ言うなっつってるっち!俺様単位「匹」?!ぶんぶんぶぶぶん、アリヤ、ぶんぶん、「3匹」ぶんぶん♪っつうだらか?!速攻アウトで張り手されてしまえぇぇ!! |
| ルナ | あのあのあの、なんだか私達も微妙に出口がないみたいなんです… |
| リィナ | なんか仕掛けっぽいものはあるんだけどねー。これどうにかしないと無理っぽいかなー。 |
| ルナ | こんな所にいきなりモンスターがガオーって出て来たりしたら…!! いえ寧ろ私の足を噛んだワンちゃんが出て来たりもう一回床が落ちたり天井が落ちたりほっぺが落ちたり試験に落ちたりああコレで4浪だよもうこの先生きていけないよさようならおじーちゃんおばーちゃんボクは先に逝きますおやすみなさいってあぁどうしましょうどうしましょうッ!? |
| ゼクセア | ルナちゃんまだ幻覚から抜け出せないみたいね…可哀想に。 |
| キャティ | キャティにはいつもと同じに聞こえるにゃ。 |
| ルナ | …はっ!ごめんなさい、あの、凄く、混乱してます… |
| ミケ | それは痛いほどに判ります。 |
| 白夜 | とりあえずひとまずは全員無事ということだな。ミシェルさんは聞いてるんだろうか。 |
| ミシェル | 聞いてるわよー。 |
| ミケ | うわびっくりした。じゃあ話は早いですね。そういうことなんですよ。 |
| ミシェル | 災難だったわねー。でもまあめげないで、がんばってー? |
| 白夜 | というかこの際だから聞いておきたいが。地図があるのにつけていないことといい、まさかとは思うが人を送り込んでおいて遺跡の奥で始末する気じゃないだろうな。更にまさかとは思うが罠がいっぱいのオモシロダンジョンを見つけた以上、せっかくだから使ってみたいというそれだけの理由で私達を送り込んだのではないだろうな。そして更にまさかとは思うが、よれよれになりながら辿り付いた最後の部屋で宝箱の中から『空気を読まない賢者が現れた!』とかいうオチではないだろうな! |
| リィナ | おおお、一息!よく続くねー。 |
| ミケ | そうなんですよね。正直、この遺跡、何のために存在するんでしょう? |
| ゼクセア | 何のため、って? |
| ミケ | 本来遺跡というからには、そこになにがしかを守るためとかシンボルであるとか、意味があるはずなのですが。 ミシェルさんの探す本を、守るため安置するために存在するのであれば、この罠の仕掛け方はどうなのだろうと。狙ってきた人を殺すでもなく捕らえるでもなく。笑える範囲内のジョークという感じで… |
| キャティ | ギャグシナリオだからにゃー。 |
| ミケ | それを言ってはおしまいですが!この遺跡を作った人の狙いは何なのか…考えてしまいますね。いえ別にこの状況による精神的ショックから目をそらすために考えてるんじゃありませんよ? |
| 白夜 | で、本当の所はどうなのだミシェル殿。それぞれ特徴のある場所にいることだし、せめて私達のいる場所がどの辺りなのか知らないか?合流出来ればいいのだが…。そもそも何故同じ場所から落ちて別の場所に落ちるのかが甚だ疑問ではあるのだが、GMに優しいPCとしてはそこは突っ込まないでおいても良い。 |
ありがとうございます。 | |
| 白夜 | もしかしたら壁一枚壊せば通じたりするのか?トカゲミサイル発射準備。 |
| アリヤ | 何ためらいなく俺様のシッポ掴んでるだっち?!火ぃ吹くぞ! |
| ミシェル | んー、そうねー、多分その仕掛けを解けば、三つとも奥には行ける仕組みになってると思うわよー。がんばってー? |
| 白夜 | やはりそうか……というか、今さらだが探している本のタイトルも何も聞いていなかった気がするな。賢者の研究施設だったのなら、他にいくらでも本があるだろう。それは一目見てそれと判るものなのか? 「これがその本→」 「「これがその本→」という立て札は本当です」 「「「これがその本→」という立て札は本当です」という立て札は本当です」 という糸井マジック並の親切な立て看板があったりするのか? |
| マジュール | ああ、そういえばそうですよね…っていうか、そもそも何の本なんでしょう?ミシェルさんが手に入れたがっているほどのものとは… |
| 白夜 | 直球に聞くがタイトルと装丁と内容を教えてくれ。 |
| ミシェル | うーん…… |
| 白夜 | 言えないのか?言えないならその理由を聞きたいところだが。 |
| ミシェル | オチが先にばれちゃうとつまらないからー。 |
| リィナ | うわ直球で帰ってきた。 |
| ミシェル | 冗談よー。装丁と言われてもねー…んー、わからないわー。 |
| 白夜 | わからないのか?自分が探している本なのに?それでは探しようがないではないか。 |
| マジュール | まあ、ミシェルさんはこの遺跡にその本があると聞いて調べているのですからね、詳しいことが判らないのは仕方がないですよ。 |
| 白夜 | ………そうか。何か微妙な誤解をしていたかもしれないな。 |
| ミシェル | でもねー、一つ確実な目印があると思うのー。 |
| 白夜 | 確実な目印? |
| ミシェル | その本には、タイトルはないわー。そして、ごくごくプライヴェートな部屋にあるはずよー。 |
| アリヤ | プライヴェートな部屋…つまり、研究部屋のような、本のたくさんあるような部屋にはそもそも、ないと。 |
| アッシュ | 目印がないのが目印、というわけだな。 |
| ミケ | わかりました。とりあえずはこの部屋を脱出して、皆さんと合流するところから、ですね…話はそれからです。 |
| マジュール | 何があるかわかりませんから、このアイテムは常にオープンにしておきませんか。いつでも別グループと連絡が取れるように。 |
| 白夜 | 異論はない。何かあったら声をかけてくれ。 |
| リィナ | みんな、がんばろーねー! |
| キャティ | キャティもがんばるにゃー!マジュールさんが一緒なら千人力にゃー! |
再び、閉ざされた扉と大量の衣装を前にして途方にくれるミケ。 目をキラキラさせながらそれを見つめるレティシア。 一人思案している様子のアッシュ。 | |
| レティシア | こ、こんな場所で…ミケと二人っきり?!しかも微妙に何だか脱出不可能?!つまり密室?!そう、二人っきりの密室!そして前にはさあ着やがれといわんばかりのきらびやかな衣装! これは…これは、そう!私とミケがコスプレして禁断の百合の園を造り上げろという神のお告げね!そうね、そうに違いないわ! |
| ミケ | れ、レティシアさん? |
| レティシア | 「ミケお姉さま……」「可愛いレティシア…ふふ、もっとこっちにいらっしゃい」「いやっ。お姉さま、二人っきりの時は『レティ』ってよ・ん・でv」「ふふふ、可愛い子ね…レティ…」とかとかとかとか!! |
がばっ!と両手を天に掲げるレティシア。どうでもいいけど全部声に出てますよ。 | |
| レティシア | ああっ!神様!ありがとう!私にこんな幸せなチャンスを与えてくださるなんて…!!私達、きっとあなたの期待に応えて見せるわっっ!! |
期待してます。 | |
| レティシア | ……はっ?!わ、私また何か……ってあれっ?!アッシュ、いつからそこに?! |
| アッシュ | 君らと一緒に落ちてきたのだが。 |
| レティシア | えええええっ?!ぜ、全然気付かなかったわ…ちっ |
| アッシュ | 何か言ったか? |
| レティシア | な、ななななんでもないわっ?! ま、まずはここから出ることを考えなくちゃね… 『新たな自分を見つめなさい』っていうのは…これは…これはやっぱり…! |
| アッシュ | ふっ……… |
| ミケ | あ、アッシュさん? |
| アッシュ | 新たな自分を見つめろ、だと? ナメるなよ? 唯々諾々とこんなものに従うようなら、天才などと呼ばれるものかよ。 そもそも私は常に新しい。ファンタジー世界でマッドサイエンティストなど、新しいと言う以外に何と言う? |
| ミケ | 過去に何人かいましたけどね、科学者。シナリオもあったし。 |
| レティシア | そもそも、天才って言ってるのもアッシュひとりだけだしね。 |
| アッシュ | 少し待っていろ。こんなこともあろうかと、地底戦車を開発しておいたのだ。ぽちっとな! |
| ミケ | 綺麗にスルーされましたね… |
| レティシア | な………なに?この音………なんか、ゴゴゴゴって…… |
| ミケ | 地響き…でしょうか?ど、どんどん大きくなってますよ?! |
| アッシュ | 心配はない。私が開発した地底戦車がどんどんこちらに向かっているのだ。 |
| ミケ | で、でもものすごい大きい音になってますよ!!大きさは一体どのくらいなんですか?! |
| アッシュ | そうだな、全長2500メートル、先頭ドリル部分の直径1000メートル!出力は実に27億馬力!構想10年、製作日数延べ6666日、制作費金貨1億枚を費やしたという空!前!絶!後!のまさに地中要塞だ!!動力は秘密!この程度の壁など、たちどころに粉砕してくれる! |
| ミケ | アッシュさん一体何歳のときから発明やってたんですかとかああもうどこからつっこんだらいいのか判りませんが、とりあえずサイズでかすぎです!ここに現れた瞬間僕たち潰されちゃいますから!! |
| アッシュ | ん?心配は要らんぞ。制動距離は地中走行時で約500メートル。誤差±25メートルといったところだ。この部屋の大きさなら…………… ダメかもしれんな? |
| レティシア | は、早く戻してーー!!! |
間。 | |
| アッシュ | 仕方が無い。今回は別な手を使うことにしよう。では、これでも使ってみるか。 |
| ミケ | まだあるんですか…なんです、その虫眼鏡のお化けみたいなのは。 |
| アッシュ | 超々高集積グレートレンズ!!この遺跡を造ったのが誰だかは知らんが、光を残したのが運の尽き! これを使えばこの程度の扉などたちどころに焼き切ってくれる! |
| レティシア | や…焼き切る? |
| アッシュ | うむ!本が読める程度の灯りさえあれば、焦点温度摂氏1200度程度に集積、増幅できる優れものだ!!岩で出来た扉であればたちどころに穴が開く!唯一の欠点は動作時の酸素消費が少しだけ多いことなのだが。 |
| ミケ | す、少し………とは? |
| アッシュ | うむ。たかだか3万立方メートル程度だ。そうだな、大体この部屋程度なら、酸素は一瞬で無くなることになる。 |
| レティシア | 死ぬから普通に!! |
| アッシュ | 無酸素運動は健康に良いと聞いたのだがなぁ?心配性なことだ。 |
| ミケ | 健康のためなら死んでもいいというのは矛盾しています! |
| アッシュ | …仕方あるまい。これも使わないとすると……おぉそうだ! |
| レティシア | こ、今度は何…? |
| アッシュ | こんなこともあろうかと、○ピーロボットを準備しておいたぞ。 鼻の頭が赤い以外は本人そっくりに姿形をコピーするのだ! |
| ミケ | え、っていうかいいんですかそれ。 |
| レティシア | 今の若い人に○ーマンが通じるかどうかも危険な賭けよね。 |
| アッシュ | だが、残念ながら一体しか持ち合わせが無い。お前に使わせてやるからどんな恥ずかしい格好でもさせるがいい。 |
| ミケ | ちょっと待ってくださいなんですかそれ!! |
| レティシア | み、ミケが二人?!そして、片方のミケが片方のミケに、は、は、は、恥ずかしい格好を……!!! |
(花畑の映像とテロップ)只今不適切な妄想が展開されておりますのでしばらくお待ち下さい。 | |
| ミケ | レティシアさん、レティシアさーん?! |
| レティシア | ……はっ?!わ、私一体何を…?! |
| ミケ | …どちらにしろ、新たな自分を見つめろ、というからには「自分」でなくてはいけない気がしますが… |
| レティシア | ミケっっ!! |
| ミケ | はっ、はいっっ?! |
| レティシア | さぁ着て!すぐ着て!!全部着てっっ!!! |
| ミケ | え、あの、ちょっと |
| レティシア | メイクならまかせてっ!!前回の仕事で、メイク術に目覚め始めたの!! |
| ミケ | め、メイクまでするんですか?! |
| レティシア | 当たり前じゃない!!服だけ着替えるのをコスプレとは言わないわ! |
| ミケ | うわ避けてたのにコスプレって言い切った。 |
| レティシア | 服着てれば簡単に変身できると思ったら大間違いよ!メイク・髪形・小物の細部に至るまで人様の目に触れるに値するものを完成させて初めてコス! |
| ミケ | で、でも僕もレティシアさんもメイク道具なんか |
| レティシア | 大丈夫!!メイク道具ならほら、衣装棚の隣に! |
| ミケ | マジですかー!!! |
| レティシア | あぁんもぉ、どれからにしようっかなー。ミケは何でも似合っちゃうから迷っちゃうー。そうねぇでもまずはイメージどおりの清純な感じで、女教師とか、十二単とかピンハとか… |
女教師は清純なんですか? | |
| レティシア | ええええ、違うの?! |
| ミケ | 僕も違うと思います。 |
| レティシア | そ、そうぉ? うーんでもでも、ちょっとセクシーにチャイナドレスとか緋色の襦袢とか!あ、でも究極、ロリっ子路線でメイドさんも捨てがたいなー、「ご主人様、お呼びですかぁ?」とか言っちゃったりしてもぉぉぉ!!ゴスロリ万歳! |
| ミケ | あ、あの、レティシアさん? |
| レティシア | さ、ミケ!着ましょう着ましょう!まずはこれからね! |
| ミケ | ちょ、ちょっと待ってください、ここは本当にこれを着ないと出られないんですか!?ねぇっ!?正攻法以外でこの罠を突破するという選択肢はないんですか?! |
| レティシア | え? |
| ミケ | いやだからあの、正攻法以外で。他の道を探すとか、魔道で扉を開けるとか。 |
| レティシア | あ……そ、そうよね…正攻法、以外で……そ、そういう選択肢も、あるのよね……ぐっすん。 |
| ミケ | どうですか、アッシュさ……… |
| レティシア | ミケ、どうし………… |
二人が振り向いた先に、まっ白なバレエ衣装を着て口元に黄色いくちばしをつけたアッシュが爪先立ちでポージング。 | |
| ミケ | あ………アッシュ…さん…? |
| アッシュ | アッシュ?誰のことだ?それは。我こそはラヴ・スワン!!愛のためにあらゆるものと戦う白鳥の化身!!敵は主に世間体その他だ! |
| ミケ | 判りましたから爪先立ちで踊らないで下さい! |
| アッシュ | さぁ、貴様らも名乗るが良い。ここで愛の戦隊を結成しようではないか?三人揃えば文殊の知恵とも言うしな、高速増殖戦隊もんじゅ、というのではどうだ? |
| レティシア | さむっ。 |
| アッシュ | さあ、私は新たな自分を見つけたぞ!我が前に道を開くがいい! |
30点。不合格です(ブブー) | |
| ミケ | ……………… |
| レティシア | ……………… |
| アッシュ | ………かくなる上はミシェルにもらったこの魔力中和装置で!!ぽちっとな! |
| ミケ | ああ、その手がありまし |
| レティシア | きゃあっっ?!な、何?!暗くなったわよ?! |
| アッシュ | ぬ。これはどういうことだ。 |
| ミケ | ここの明かりを維持しているのも魔力だということですね…それが消えてしまったから、明かりもなくなってしまったと。 |
| アッシュ | ぬぅ…しかしこれで、忌々しいドアの魔力は消えたはず。堂々と開けて行こうではないか。 |
| ミケ | このドア、石で出来てるみたいですよ。 |
| アッシュ | ぬ。 |
| ミケ | 魔術師二人と科学者の非力3人コンビでどうやってこの石の扉を開けろと? |
| アッシュ | ……私の発明品で |
| ミケ | 却下です。 |
| アッシュ | では不本意だが君らの魔法で破壊を… |
| ミケ | アッシュさんが魔力を中和しちゃったんじゃないですか。 |
| アッシュ | …………。 |
| ミケ | …………。 |
| レティシア | …………。 |
| アッシュ | ……仕方がない。戻すか。ぽちっとな。 |
| レティシア | あ、ついた…… |
| ミケ | ふぅ…やはりここは、素直にコス………いえ、着替えてあのドアに合格点をもらうしかないようですね… |
| レティシア | そうね!じゃあミケ、早速これを!! |
| ミケ | レティシアさん、嬉しそうですね…っていうかこれはどうやって着るんですか…? |
| レティシア | これはね、ここからこう手を入れて、首の後ろにこっちを回して、………ってああまだるっこしいわ!私が着せてあげるから |
| ミケ | んなーっっ?!い、いいです自分で着替えられます! |
| レティシア | ああ…行っちゃった。ミケってばテレやさん。 |
間。 | |
| ミケ | こ、こんな感じですか……? |
| レティシア | っっっきゃああぁぁぁぁぁぁっ!! |
| ミケ | れ、レティシアさん?! |
| レティシア | な、なんっっっって可愛いの、ミケ! |
| ミケ | は、はい? |
| レティシア | やっぱり私の目は確かだったわ!ミケの清楚さがロリの魅力を存分に引き立ててるわ!あああ私もこんなメイドさんに朝から晩まで奉仕され………ふぐっ |
| ミケ | れ、レティシアさんしっかりしてください! |
| レティシア | はっ……!ご、ごめんごめん、つい鼻血が……じゃあ、じゃあじゃあ今度はこれ!緋色の襦袢! |
| ミケ | マジっすか?! |
| アッシュ | すでに着せ替え人形だな…… |
| ミケ | こ、こんなんですか…? |
| レティシア | ああんもぉ色っぽーい!裾から覗く太腿がたまらないわ!チラリズム万歳! |
| ミケ | こんな感じも…… |
| レティシア | ああんっあこがれのリュウアンドレス~!!ミシェルの背後霊も大満足だわー!! |
どうせならリリィとおそろいあたりでどうですか。 | |
| ミケ | それは全身全霊で遠慮させていただきます。 |
| レティシア | じゃあっ、じゃあこんどはこれこれ!ピンクハウスー!! |
| ミケ | な、なんなんですかこの装飾過多でやたら重い服は! |
以降、延々と着せ替えされ続けるミケ。途中から何かが吹っ切れたのか、ポーズなど取りながらカーテンを開けたりとか。 | |
| ミケ | ま、まだやるんですか、レティシアさん…… |
| レティシア | そうねー、あまり時間がかかると合流も遅れちゃうし。んーんーんー、どれもいいから迷っちゃうけどー、やっぱりさっきのミニスカナースが一番いいかしら、またこれに着替えてーv |
| ミケ | は、はい……わかりました………ところで、レティシアさんは何を着るんですか? |
| レティシア | え?私?そういえばー……私は何を着るのか考えてなかったわ。 何にしようかなー…ボンテージ…はこないだ着たし…ロリ系は…ひそかに持ってるからコスプレっぽくないし…ウエディングドレス……着たかったなぁ……はぁ……なんか、これを着ちゃうと地の底まで落ち込みそうだからやめとこ。地雷は踏まないに越したことはないのよ。そうなのよ。 どうせなら・・・ミケとお揃いにしようかなぁ。セクシーナースエンジェルズっ!!あなたのハァトにお注射しちゃうゾvvなんてね~。よしっ!そうと決まればお着替えお着替え~♪ |
| アッシュ | このラブパワーをxxxxの動力として使うには……… |
| レティシア | アッシュ?なにぶつぶつ言ってんの?ほら、アッシュも着替えるのよ? |
| アッシュ | ぬ? |
| レティシア | さっきの衣装、30点だったんでしょ?やっぱり、3人で衣装合わせてコンボを狙うのがいいのよ! |
| アッシュ | なるほど、一理あるな。 |
| レティシア | ほら、そんな眼鏡してるから30点なのよ。取ろうよ。 |
| アッシュ | ぬ。何をする。私はそれを取られると1センチ先も見えなくなるのだが。 |
| レティシア | わ………アッシュって眼鏡取ると美形なのね!何てベタな… |
| アッシュ | 放っておいていただこう。 |
| レティシア | でも、それでこそ着せ替えのし甲斐があるってもんよ。 うーん…合わせでコンボ狙うとしたら、ナース3人組がいいかもしれないけど…でも、アッシュはキレイ系の顔だってわかったからオトナな雰囲気で攻めたいなぁ。 じゃあ、じゃあ、私たちがナースだからアッシュは女医さんってのはどう? |
| アッシュ | む、女医か? |
| レティシア | 白衣にミニスカで、セクシーっていうかエロ?!決め台詞は「あなたのココロのはじめてのおいしゃさん」! |
| アッシュ | ぬうっ……!!こ……この危機的状況を乗り切るための発明品は……っ?! |
| レティシア | さあさあ早く入ってー!着替えたらメイクだからね、早くねー! |
| ミケ | アッシュさん…諦めてください…… |
そ・し・て。 | |
| レティシア | セクシーナースエンジェル・力の一号!必殺技はIカップボンバー!あなたのココロの悪いウィルス、私が退治してあげちゃうから! |
| ミケ | せ…セクシーナースエンジェル・技の二号です…必殺技は…えっと、ほ、ホワイトガーターフラッシュです……イケナイ患者さんは、このハイヒールで踏んじゃいますよっ?! |
| アッシュ | そしてわたしが総帥、レディ・ブラックジャック!!全てを切り裂くこのメスで、お前のハートも…解剖してくれよう…ふっ。 |
ちっ。ちっ。ちっ。 ……お見事です!100点満点、合格です!! ごごごごごご、という音と共に開く石製の扉。 | |
| レティシア | やったぁ!開いたわよミケ!きゃーっ! |
| ミケ | …ふぅ………こちらは、完了ですー。あの、何か持ってきて欲しい服とかあったら言って下さい。こうなったらヤケなんで。 |
| ミシェル | あー、じゃあリュウアンドレスお願いー。 |
| マジュール | わ、私もいいでしょうか、ミケさん…… |
| ミケ | ああもう何でもどんと来いですよこうなったら皆さん全員分僕が見繕って持って行ってあげますよははははは |
| アッシュ | さて、扉も開いたことだしこのような服はさっさと脱がせてもらおう。 |
| レティシア | えー、脱いじゃうの勿体無いー。 |
ごごごごごごごご。 | |
| レティシア | あああああっ、し、閉まっちゃったよ?!アッシュ、早くもう一度着なきゃ!いいじゃないどうせ同じ白衣なんだし!! |
| アッシュ | ぬううぅぅぅっ、白衣の下にチューブトップミニスカではだいぶ趣が違うと思うのだが仕方あるまい……!ここを抜けるまでは付き合ってやろうではないか! |
石碑が並ぶ部屋。謎の石碑とメッセージの前に首をひねる3人。 | |
| マジュール | むぅ…どうしたものでしょうか。ほかに出口があるようでもないですし、先に進むにはやはりこの仕掛けをとかなければならないでしょうけど… しかし、参ったな、『うた』か…私は音楽方面はそれほど得意ではないんですよ。もちろん、歌が嫌いなわけではありませんし、音楽の知識がゼロというわけではありませんが。 |
| ゼクセア | なんなのかしらねぇ。普通に考えて、どれか選んで歌えってことなのよね? あえて選ぶなら…まぁ、一番楽しそうなのは『まもののうた』よね。今回の依頼は頭より体使いたい気分だし。このばくだん岩の腕が勿体ないし。 |
| マジュール | いえあの…先に進むことも考えていただきたいのですが… あの、みなさん、一緒に考えていただけませんか…? |
| 白夜 | でかい図体をして甘ったれるな。こちらはこちらで手一杯だ、ゼクセア嬢と君のペットと協力して考えたまえ。 |
| キャティ | ちょっとー!前から気になってたけどペットペットって、キャティはマジュールさんのペットじゃないにゃ! |
| 白夜 | 黙れ萌え専用家畜。意味のないことをわめき散らす前にそこから出る算段のひとつでも考えたらどうだ。 |
| キャティ | むっきいぃぃぃぃぃっ!!!リヒトだかモナーだか知らないけど、獣人よりそんなにエライの?! |
| 白夜 | 語尾を延ばすな猫になるだろうが。私は特にモナが他種族より優れているなどという愚かな偏見は持たないよ。ただ、萌えオンリー製造マシンよりは人間的にマシであるという確信は持っているがね。 |
| キャティ | むきゃああぁぁぁっ、むかつくにゃ、むかつくにゃ!今度マジュールさんに何かしたら、キャティが黙っていないからにゃ!よーっく覚えておくにゃ!! |
| 白夜 | そんなことはその無駄に色気づいた台詞しか飛ばさない口を閉じてから言うのだな。普段からよく喋る人間が黙っていないと言ったところで何の脅しにもなりはしない。 |
| マジュール | ふ、二人ともやめてください! 白夜さん、すみませんでした。どうしても手に負えない場合はまた通信で声をかけます。そちらはそちらでがんばってください。 |
| 白夜 | 了解した。ペットの管理はきちんとしておきたまえ。 |
| キャティ | むきーっ!また言ったにゃー!! |
| マジュール | しかし…歌ですか……… |
| キャティ | ん・う~ん。マジュールさんったら、そんなに早くみんなのところに行きたいの~? |
| マジュール | え、きゃ、キャティ? |
| キャティ | キャティ、せーっかくマジュールさんとふたりっきりになって超うれしーのにぃ、マジュールさんは早く仕掛け解いてふたりっきりの時間を終わらせたいのにゃ? |
| マジュール | ふ、ふたりっきりって、ゼクセアさんが一緒ですよ? |
| ゼクセア | ああ、私のことは気にしないでいいわよ。若い二人の邪魔をするのは申し訳ないし、見えないところに行ってるから。 |
| マジュール | ぜ、ゼクセアさーん?! |
| キャティ | さ~っすが、お姉さまは話が早いにゃん♪さ、さ、さ、マジュールさん、キャティといちゃいちゃしようにゃ~♪ |
| マジュール | ま、待ってくださいキャティ、い、今はこの仕掛けを解くことが優先だと思うのですが… |
| キャティ | そんなの、急がなくても後でも大丈夫だにゃ♪そ・れ・よ・りぃ… |
| マジュール | うーん、私としては、ここでイチャイチャするより、この仕事を終わらせてから、日の当たる公園でキャティとふたり人目もはばからずまったりベタベタしたいところなんですが…。 |
| ゼクセア | もう、何してるのよ、じれったいわね。 |
| マジュール | ぜ、ゼクセアさん、止めてくださいよ。 |
| ゼクセア | え、止めるの?ダメよ、女の子がこんなに一生懸命愛を訴えてるんだから、それに応えてやるのが男っていうもんでしょう? |
| マジュール | え、えええええ?! |
| ゼクセア | キャティ、こっちにいらっしゃい。私がいろいろ教えてあげるから。 |
| キャティ | ええっ、ホントかにゃん?!キャティもオトナの魅力の仲間入りにゃあ♪ |
| マジュール | え、ちょっと、二人とも |
| ゼクセア | ひそひそ……… |
| キャティ | ぼそぼそ……… |
| ゼクセア | ひそひそ……… |
| キャティ | ぼそぼそ……… |
| マジュール | あの、ちょっと、二人とも何を相談しているんですか? |
| ゼクセア | ほら、マジュールもね……… |
| マジュール | えっ、わ、私もですか…………ふんふん………って、ええっ?!なっ…何を仰るんですかゼクセアさん、そんな破廉恥なことはできませんよ! |
| ゼクセア | あら、なぁに?意気地なしね……そんなこと言ってると、こうしちゃうから。 |
| マジュール | なっ?!あ、明かりが!ゼクセアさん、松明を消さないで下さいよ! |
| ゼクセア | ふふ……暗闇だと人は素直な気持ちになれるのよ。 |
| マジュール | 何を言って……んなっ!何を…キャティっ!一体何をそんな密着っ…!! |
| キャティ | んふふふ~マジュールさーん♪ |
| マジュール | いや、その、…あの、2人きりならともかくですね…ていうか何故身を乗り出してワクワクされているんですかゼクセアさん。 |
| ゼクセア | あら、だって暗いとよく見えないじゃない。 |
| マジュール | 見る前提なんですか! |
| キャティ | まっじゅうっるさぁ~ん♪ |
| マジュール | あ、あの…キャティ、私とて男ですからあんなこととかこんなこととか…発情期よりは多少おとなしくなっているだけでですね…。嗚呼、横顔がかわいい…とか言っている場合じゃなくて!! |
| キャティ | マジュールさん、何照れてるにゃ?キャティは全然構わないにゃ♪ |
| マジュール | ええと、胸、胸当たってま…だめだ、理性が飛ぶ…キャティっ!! |
キャティさんに当たる胸はないと思いますよ。 | |
| キャティ | そこ!いちいちうっさいにゃ! |
| アリヤ | お前らさっきからなにやってるだらー!!!! |
| マジュール | はっ?!あ、アリヤさん?! |
| アリヤ | 回線オープンにしてるから丸聞こえだらよ!まったく、するべきこともせんと破廉恥なことをダラダラと!お前ら金もらって働いてるなら仕事ぐらいちゃんとやったらどうだっち! |
| マジュール | はっ、はい、すみません……! ほら、キャティ。みんなもああ言ってるから。ゼクセアさんも早く明かりをつけて、ここから脱出しましょう。 |
| ゼクセア | あら、残念ね…しょうがないわ。 |
| マジュール | さて………気を取り直して、歌、ということですが…… |
| キャティ | さあ歌いましょう…歌えばいいのかにゃ? いっちばーん!キャティ歌いまーす♪ |
| マジュール | ええっ?! |
| キャティ | み~つめるキャティ・アイ♪メ~イドプレイダンシング♪み~どりいろにひか~~る~♪ あ~やしくキャティ・アイ♪メ~イドプレイダンシング♪つ~きあかりあびて~ウイゲッチュウ~♪ ネコみみガ~~~ル♪ |
| マジュール | ………………… |
| ゼクセア | ………………… |
| キャティ | なんで!なんで!!なんでー!!!多少は予想はしてたけど、ココまで無反応なのはちょっとひどいんじゃないのー!そこの二人!せっかくキャティが歌ったのに、なんで拍手がないの?拍手は!拍手!! |
| マジュール | …はっ?!は、ぶ、ブラボーですキャティ………(ぱちぱちぱちぱち) |
| ゼクセア | ………ええと、まあ、いいんじゃない?(ぱち、ぱち、ぱち) |
| キャティ | あ!忘れていたにゃ…JASRAC (出)0534400-222 |
ねえそれって勝手にやっていいんですか。 | |
| キャティ | 知らないにゃ!! |
| マジュール | そうですね……ただ、歌えというのではなく…この石碑が関係しているのだとは思いますが…… |
マジュール、ごりごりと石碑を適当に動かしてみる。 7つ並ぶ石碑を押したり引いたり。と、突然あたりに鐘の音のようなものが響き渡る。 おどろおどろしい、魔性のものを連想させるメロディ。 そして、あたりに無機質な声が響き渡る。 『まもののうた』 | |
| マジュール | こ、これは…っ?! |
がごん、と、何もなかった岩壁がへこみ、出来上がった空洞の奥からずしん、ずしんと何かの足音。 | |
| キャティ | な、なにごとにゃ…?も、モンスターが出てくるのかにゃ…?! |
| ゼクセア | いよいよ私の出番ね…腕が鳴るわ。 |
| マジュール | 油断はしないでください……ああっ?! |
ようやくたいまつの光が届くところまで姿を見せたのは、マジュールの背丈より少し大きいくらいの、毛むくじゃらのサルのような動物。 3人を認めると、胸をどんどんと叩いて咆哮をあげる。 | |
| キャティ | んにゃああぁぁっ!うるさいにゃあ! |
魔物の咆哮が衝撃波のように作用し、3人を襲う。 攻撃どころか、足を動かすこともままならない。 | |
| ゼクセア | ちっ………これじゃ、埒が明かないね… |
| マジュール | よく聞くと…これ、微妙に音が上がったり下がったりしてませんか? |
| キャティ | きっと歌を歌ってるんだにゃ!こんなのが歌なんてありえないにゃ!まだジャ○アンのほうがマシだにゃ!! |
| ゼクセア | とにかく、この歌を何とかしないことには…! |
| マジュール | ゼクセアさん、私たちがあの歌を何とか止めます!その間に、ゼクセアさんがあの魔物を仕留めて下さい! |
| ゼクセア | 何か考えがあるみたいね、わかったわ。 |
| マジュール | さあキャティ、「あれ」をやるときがきたよ! |
| キャティ | マジュールさん、ついに「あれ」をやるのかにゃ! |
キャティとマジュール、手を取り合って魔物をびしっと指さす。 | |
| マジュール | 受けてみろ、キャティと私が小さな石鹸カタカタいわせて帰ってきた4畳半の薄暗い部屋でお金はないけど愛はあるから楽しいの♪とか言いながらイチャイチャモードで創り上げた、愛と青春のデュエットを!! |
| キャティ | ニャンニャンヴォイスで!! |
| 2人 | ライヴ・スタート!! |
どこからともなく、二人にスポットライトが当たる。 そしてどこからともなく流れてくる派手な伴奏。 このあたりは、深く考えてはいけない。 「2人のLove Power☆MaxHeart」 作詞・作曲 G.M.メグナディーン 歌 キャティ&マジュール | |
| キャティ | 独りの寂しさ届かない 愛の試練なの? 日付変わるたび募ってく 逢えない日々とこの思い |
| マジュール | 毎日毎日すれちがい かなりヤバいけど そんなことで壊れはしない 2人のLove Power☆ |
| キャティ | 屋根の上 2人で登って |
| マジュール | 交わしたキス はじけるSweet Heart |
| 2人 | もう怖くない 暗い運命なんて脱ぎ捨てて 空へ |
いっそう激しく盛り上がる伴奏。 | |
| 2人 | Fly High!! 愛の翼広げて 弱気なんて軽く超える Fly High!! 別れの季節なんてない 私たちがいる限り |
| キャティ | 手をにぎって |
| マジュール | 土蹴り上げて |
| 2人 | 向かえ Go!Go!! 愛の国へ |
最後は陶酔したポーズを取って、華々しく伴奏も幕を閉じる。 | |
| ゼクセア | …………… |
| マジュール | ど、どうだ……っ?! |
微妙におとなしく二人の歌を聞いていた魔物、突然暴れ始める。 | |
| キャティ | んにゃああぁぁぁぁっ?!余計に怒らせたにゃああぁぁっ?! |
| マジュール | 逃げましょう、キャティ! |
マジュール、キャティを抱えて逃げる。 それをかばうように立ちふさがるゼクセア。 | |
| ゼクセア | でも、ま…あの迷惑な歌はやめてくれたしね。 ………覚悟しなっっ!! |
ゼクセア、ばくだん岩の腕を振りかぶって地を蹴る。 そのまま魔物に突進していき、魔物の腹を思い切り殴りつける。 ごぐん、という微妙な音がして魔物の動きが止まり、ゼクセアが離れたところでずうんという重い音とともに崩れ落ちる。 | |
| ゼクセア | ふん、手ごたえがないね…できるのはへたくそな歌を歌うことくらい、か。 |
| キャティ | ゼクセアさん、すごいにゃあああぁぁぁ! |
| マジュール | ありがとうございます、ゼクセアさん。 |
| ゼクセア | どうってことないわよ。むしろ大したことなさ過ぎてちょっと欲求不満ねぇ。さっさと仕掛けを解いて、先に行きましょうよ。 |
| マジュール | そ、そうですね……どうやら、この石碑を動かすことで「うた」が発動するようですが…この動かし方によるんでしょうか? |
マジュール、またごりごりと石碑を動かしてみる。 と、突然レクイエムのようなメロディーが流れ始め、再びナレーションが。 『かなしみのうた』 | |
| マジュール | こ、今度は何ですか?! |
少年活劇のテーマソングのようなものが流れたかと思うと、脇にある妙に平らすぎる岩壁にパッと映像が映し出される。 荒野を駆け抜ける一陣の風。 タイトルは『超軽装・モーパン刑事』第一話「立ち上がれ!モーパン刑事」 | |
| マジュール | んなああぁぁぁぁぁぁあああっ?! |
| キャティ | ど、どどど、どうしたのにゃ?!マジュールさん! |
| マジュール | きゃ、キャティ、こんなものを見てはいけません!ああっ!ゼクセアさんも見ないでください! |
マジュール、必死にスクリーンを隠そうとぴょんぴょん飛び跳ねるが、いかんせんスクリーンが巨大すぎる。無駄。 そうしている間にもナレーションが流れていく。 「壮絶なる『あの戦い』から3年…… 新たに出現した悪の秘密外食産業組織「B.S.E.(Black Supper of Evil cook)」の魔の手から、世界で虐げられている食材達を救うため、「雅な牛柄装束」に下半身を包んだ、あの漢(おとこ)が帰ってきた! | |
| マジュール | しかも、な、何なんですかこのストーリーはっっ!! |
| キャティ | にゃっ?!マジュールさんが出てるにゃ! |
| ゼクセア | あなた、いつのまにこんなもの録ったの? |
| マジュール | と、録ってませんよ!!い、一体なんなんでしょう…わ、私の頭の中を覗いてるのか…?!こんな……こんな一番知られたくない過去を……! |
「マジュール…ついに…ついにこの時が来た…」 「おやっさん…」 「このモーパンを履き…悪を……悪の手から食材たちを守ってくれ……!!」 「おやっさん…俺、俺、やります……!!」 「マジュール!」 | |
| マジュール | あああああもうお願いだからやめてくださいい…… |
マジュール、涙ながらに石碑の一つを動かす。 とたんにパッと止まる映像と音。 | |
| ゼクセア | あら、終わっちゃった…勿体無い。 |
| キャティ | もっと見たかったにゃー!! |
| マジュール | 勘弁してください……どうしてこんな、私だけピンポイントで悲しみな歌なんですか……… |
それはまあ、後ろの方のご意思というか。 | |
| マジュール | ぶっちゃけすぎです!! |
がっくりと頭を垂れながら、マジュール、その隣の石碑に寄りかかる。 その拍子に石碑が動き、またもやナレーションが響く。 「こうずいのうた」 | |
| キャティ | こ、洪水っっ?! |
逃げる間もなく、先ほど魔物が出てきた穴から水がどばどばと流れ込む。 | |
| マジュール | きゃ、キャティいぃぃぃぃっ!! |
| キャティ | マジュールさあぁぁぁぁんっっ!! |
| ゼクセア | くっ………!さっきの理屈なら、この石碑を動かせば、歌は止まるはず…!! |
荒れ狂う水を掻き分けてゼクセアが何とか石碑を動かす。 とたんに水の流れは止まり、たまっていた水も見る見るうちに引いていく。 | |
| キャティ | た、助かったにゃ…… |
| ゼクセア | な、なんとかならないの、この仕掛け…早く解いちゃいましょうよ…… |
| マジュール | そ、そうはいいましても、どんな仕組みになっているのか…… |
| ゼクセア | 歌、で、7つのもの…でしょ?私、音楽はさっぱりわからなくてね… |
| キャティ | 7つかぁ………ん?7つ? |
| マジュール | キャティ、何か浮かびましたか? |
| キャティ | あのね、あのね、ドレミファソラシって、7つじゃないかにゃ?!っていうことは、これって、ピアノの鍵盤を示してるんじゃないのかにゃ?! |
| ゼクセア | ああ………! |
| マジュール | なるほど!さすがはキャティ! |
| キャティ | でしょでしょでしょ!そんでもってぇ、この「ドーナツ」とか「レモン」とかっていうのは、あれの歌詞だにゃ!ええっとほらー、ハウンド・オブ・ミュージック!! |
hound〔名〕 1 《しばしば複合語》猟犬(basset, borzoi, dachshund, greyhoundなど);(一般に)犬. 2 《しばしば複合語》《略式》熱中者,…狂 3 《略式》卑劣漢. 〔プログレッシブ英和中辞典〕 | |
| キャティ | だからうるさいにゃそこおぉぉぉぉ!! |
| マジュール | あのキャティ、一応それはサウンドオブ…… |
| キャティ | だからねえぇっ!ドーナツはド、レモンはレ、なのにゃ!それで、『たびだちのうた』はドーナツ・みんな・そらだから、ド・ミ・ソ! これとこれとこれを動かせば、ここから脱出できるに違いないにゃ!! |
| マジュール | なるほど!!では、早速…… |
マジュール、キャティの指示通りに石碑をごりごりとうごかす。 ややあって、ファンファーレのような音と共にナレーション。 『たびだちのうた』 | |
| マジュール | おおっ、ビンゴですよキャティ!ほら、私達の身体が光っています! |
| ゼクセア | 何だか浮いてない?魔法ってスゴイのねぇ…… |
| キャティ | これでやっとここから脱出でき…んにゃあぁぁっ?! |
光を増した三人の身体がものすごい速さで上に向かって飛ばされ、形容し難い音を立てて天井に激突し、落下する。 | |
| マジュール | ……………… |
| ゼクセア | ……………… |
| キャティ | ……………… |
ややあって、ごごごごご、と開く天井。 | |
| マジュール | お………遅いです……… |
さて、いよいよ地底湖。がんばりますから最後まで見守っててください。 あちこちにある仕掛けに途方にくれる4人。 | |
| リィナ | さーて、どうしようかー。どれにいけば先に進めるのかな? |
| 白夜 | 一見しただけで判断するのは無理だろうな。手当たり次第にやってみるしかあるまい。 |
| リィナ | ええええっ?!でもでも、罠かもしれないよ?! |
| 白夜 | 罠かもしれないというか、きっぱりはっきり罠だろう。それにどう引っかかるかが美味しいげふんげふん、虎穴に入らずんば虎児を得ずというリュウアンの諺もあることだし、とりあえずは手当たりしだいやってみるのがいいだろうな。 |
| ルナ | 恐いなぁ…で、でも、何かしてみなきゃ先に進めないですもんね…え…えいっ。(ぽち) |
| アリヤ | のわああぁぁぁぁっ?! |
あたりを探索していたアリヤの脇を矢が掠めて飛んでいく。 | |
| 白夜 | ……死んだか? |
| アリヤ | 生きとるわボケええぇぇぇっ!!何かいきなりこんなモン飛んできたんですけどっっ?! |
| 白夜 | 天からの恵みものだ。ありがたく食らえ。 |
| アリヤ | どう考えても人災だっちよー!!ボタン押したから矢が出てきたに決まってるっち!! |
| ルナ | ええっそうなんですか?!そんな…確かめなくちゃ! |
| アリヤ | そこでどうしてもう一回押すんだらー?! |
上から降ってくるタライ。 | |
| ルナ | って、きゃああぁぁぁぁっ!何で違う罠が発動するのー?! |
| アリヤ | 確信犯だっぷぎゅ! |
目をつぶるルナ。ばべん、という爽快な音。 | |
| ルナ | …あ……れ……?頭、痛くない……たんこぶもできてない……? |
| 白夜 | 大丈夫かルナ嬢。 |
| ルナ | ………!!あ、びゃ、白夜さ………いえあの、トカゲさんが…というかトカゲさんの顔面が犠牲になって……むしろ強制的に犠牲にさせられたような…… |
| 白夜 | こんなときのために用意しておいた、緊急回避用トカゲバリアーmk2だ。マジで恋する2秒前。 |
| ルナ | ふ、古いです……ああ……も、元に戻ったトカゲさんの顔面でビー玉が転がせそうな感じになってます…… |
| 白夜 | 顔面セーフだったな。 |
| アリヤ | なぁぁぁにがセーフかっっ!!満場一致でアウトだら!レッドカード退場!! |
| ルナ | あ、ああ…ケンカが始まっちゃった…お礼、言いそびれたな…… |
| リィナ | んじゃ、こっちのボタンは何が起こるのかな?えい、ぽちっとな。 |
しーん。 | |
| リィナ | あれーっ?おかしいな?何にも起こらないよ? えいえいえい。(ぽちぽちぽち) |
| レティシア | きゃーっ!!足元の地面から筍がお尻を狙ってにょきにょき生えてきたわー!! |
| ミケ | うわああぁぁぁっ、ぼ、僕の出口が入り口にー!! |
| アッシュ | うむ、これが雨後のタケノコというやつか。 |
| ミケ | あ、雨降ってませんけどっっ?! |
| 白夜 | …どうやら向こうで何かが起こっているようだな。つまらん。 |
| リィナ | えっいいんスかその発言。 |
| 白夜 | ミケの切れ痔の心配は後ですることにして、最後のボタンを押すか……いったい何が起きるんだ…(ぽち) |
がごん。壁の一部が凹み、中から真っ白い肌をしたオッサンが十字架にくくりつけられて登場。くわっ!と目を見開くと、妙に高い声で宣言。 『今から出す問題に答えよ!』 | |
| アリヤ | なっ、何なんだら?どきどきするだらね… |
【問1】『遊ぶ金欲しさに』『○○を見て自分も』『ついカッとなって』『怖くなって逃げた』という語句を使い自己弁護を完成させなさい。 | |
| 白夜 | なんなんだそれは……… |
| ルナ | え、ええっと……難しいです…… |
| リィナ | リィナも思いつかないよ~ |
| アリヤ | 仕方がないだっちね……むーん……… 「遊ぶ金欲しさに、長者番付を見て自分も、漫画家になってみたものの、さっぱり人気があがらず、ついカッとなって、おっぱいポロリを描いたら、下半身もポロれと担当に詰め寄られ、怖くなって逃げた」 |
ひゅうううぅぅぅぅぅぅぅ……… | |
| ルナ | と、トカゲさん…… |
| 白夜 | 貴様にだけは破廉恥のどうのと言われたくないな。 |
| リィナ | リィナ、アリヤさんのこと誤解してたみたいだよ…… |
| アリヤ | ちっ、違うだら!!俺じゃなくて背後が!背後がこう言えって!座布団確実だって! |
| 白夜 | 見苦しい言い訳はやめるのだな。まあいい、とにかく文は完成させた。どうだ? |
白夜、十字架人を振り返る。十字架人、ほわー、という音とともに腕を上げ、マルを作ると思いきや、腕はそれを通り越してバツへ。 ばしゃーっと盛大に上から水が降ってくる。 | |
| 白夜 | …十字架にくくりつけられた白い人間が出てきた時点でこうなることはわかっていたがな…… |
| ルナ | えっえっ、何のネタですか? |
| リィナ | あー、ルナちゃん知らないかー。 |
| アリヤ | 俺様もわからないだら。 |
| 白夜 | それは遠まわしに若い子ぶっているのか爬虫類。ルナ嬢はともかく。 |
| アリヤ | ぶっ、侮辱だら!酷いだっち!俺様は本当にただ知らないだけなのに! |
| 白夜 | 愚かな。土曜夜8時といえば、ひょうきん族派とドリフ派のどちらかに派閥が分かれ、月曜に学校に来たときに両者の熾烈な争いが繰り広げられたものだろう。お前、知らないということはドリフ派だな? |
| リィナ | 白夜さん、それ以上言うと年がバレるよ… |
| 白夜 | 心配ない。これを言わせているのはGMだからな。ちなみにひょうきん族派だ。 |
ドリフも見ましたよたまに。 | |
| リィナ | あっ、まだなんか問題があるみたいだよ。 |
【問2】 変な顔をしてみせなさい | |
| リィナ | へ、変な顔ー?! |
| ルナ | え、えぇえっ?!アッチョンブリケですか?! あ、う、えぇっと、こー?でひょふかあっ?(ぐにょ) ………ははは恥ずかしいっっ! |
| 白夜 | では私達はいっ○く堂のモノマネをしよう。 |
| アリヤ | じゃあ俺様はおじいさんの人形役だら。 |
| リィナ | えっホント?!すごいすごーい! |
| 白夜 | ではいくぞ………(くわっ) |
| リィナ | 顔真似かよ!! |
| ルナ | 似てませんっっ!! |
| リィナ | しかも文字だけだから何が何だかわかんないし!! |
物書き殺しのネタですね。 | |
| ルナ | ああっ、ま、負けていられません!次、次は…! |
| リィナ | ほっぺ引っ張ったまま「学級文庫」とかどう? |
| ルナ | い、いやですよそんな小学生のイタズラー!! |
| リィナ | じゃあ面白い顔っていうから、にらめっこだ! |
| ルナ | はっ、はい!あっぷっぷ! |
三分後。 | |
| ルナ | うう……笑わない…… こ、こうなったら!トカゲさんのモノマネいきます!こほん。 トカゲちゃうわああぁぁぁぁ!!がおー!! |
| 白夜 | すでに本来の目的から逸脱しているな… |
| アリヤ | 熱くなると自分を見失うタイプだらね… |
| ルナ | ううっ……これでも笑わないなんて……じゃ、じゃあ今度はおかめとひょっとこの顔です!(うにゅ) |
| リィナ | わぁ、ルナちゃんうまいうまいー! |
| ルナ | あ、あの………恥ずかしいのでもういいですか…… |
十字架人の顔が嘲笑を浮かべる。 「プップー、マジでやってるよ、恥ずかし~い」 | |
| ルナ | え、ええぇぇぇぇぇっ?!そ、酷いです酷いです酷いです!!「恥ずかしい~」って本当に恥ずかしいですよ!! 皆さん見てらっしゃるのにー!!いえ、確かに皆さんも変な顔しましたけど、でもー!! |
| 白夜 | どきたまえ、ルナ嬢。私がじきじきに始末する。 |
| アリヤ | まったくだら。人を小馬鹿にしくさってからに…! |
| ルナ | 壁さんなんて、壁さんなんて、自分自身に縛られて身動きも取れない悲しい人生……いえ、壁生のくせにいぃぃぃぃっっ!! |
| リィナ | なんだかよくわかんないけど面白そうだからリィナも混ざるー!! |
(花畑とテロップ)不適切な残虐シーンのためしばらくお待ちください。 | |
| 白夜 | ふぅ…さて。趣味の悪い罠など捨て置いて新たな道を切り開こう。 |
| リィナ | さわやかな笑みだねー白夜さん。 |
| 白夜 | 次に怪しげなのがあの壁にめり込んだような格好をしている大岩だな。あの向こうに何かがあると踏んだがどうだろう。 |
| リィナ | よおぉぉぉっし、リィナがぶっこわしちゃうぞー!とりあえず、ぱーんち! |
ごっ。とやたら生々しい音。しかし、岩はびくともしない。 | |
| リィナ | あれー?壊れないや……そりゃっ、爆破(ボンバー)っっ!! |
ぼがーん。小規模爆破。しかし(以下略) | |
| リィナ | あれ~?うーん、壊れないねぇ………そうだ! こういうときは、合体攻撃だよアリヤさん! |
| アリヤ | が、合体攻撃…ですか? |
| リィナ | そ、こうやって尻尾をつかんでー。 |
| アリヤ | え?あのちょっと、それはまっ……たぁぁあ待った待った待った!何するだっちー!!! |
アリヤの尻尾をつかんだまま自分の体を軸に大回転を始めるリィナ。微妙に竜巻が起こりかけている。 | |
| ルナ | あっ、そんなリィナさん、さすがにトカゲさんを使ったら危ないで……あの、あの、もしシッポが取れたら私に…… |
| リィナ | いっくよおぉぉぉぉっ!黄龍回転撃(ゴールデン・ハンマー)!!! |
| アリヤ | んぎゃあああぁぁぁぁっ! |
リィナ、アリヤから手を離し、アリヤはそのままの勢いで岩に激突。 ごぐわっ、という鈍い音を立てて岩が壊れ、元の姿に戻ったアリヤが下敷きになる。 | |
| リィナ | やったぁぁっ!びっくとりぃ~!! |
| ルナ | い、痛そう……でも、壊れてよかったです。で、シッポは………あ、取れてないですか。 |
| アリヤ | お、お前ら………俺様を何だと思ってるっち…… |
| 白夜 | 何とも思っていないとしか言えないな。とっととどのでかい図体をどけろ、トカゲ人間。 |
| アリヤ | 元に戻ったら戻ったでトカゲ人間呼ばわり?!おのれ貴様そこになおぶぎゃあぁっ! |
| 白夜 | この奥は空洞になっているようだな。 |
| アリヤ | 俺様を踏み越えて行くなっちー!! |
| 白夜 | この奥が出口になっているのか、それとも何か………ぬおっ?! |
| ルナ | ああっ?!お、奥からむっちりした大きなお尻のオブジェが白夜さんの顔面を直撃?! |
| リィナ | なんで古代遺跡で尻??!っていうかルナちゃんのセリフが説明くさい! |
| 白夜 | おのれ、私の美しい顔に何を押し付ける!! |
| リィナ | うわ自分で言ったよこの人! |
| ルナ | 大丈夫です、美尻ですから!! |
| 白夜 | 何だ美尻って?!というかそれはやっぱり「びしり」と読むのか?ムチで打たれてるみたいだな。 |
| アリヤ | うーむ、肉体的な衝撃は少ないだらが精神的なダメージは計り知れないトラップだっち…! |
| ルナ | 一部カビて蒙古斑みたいになってます… |
美尻を掻き分けて中に入っていくと、先は行き止まり。倉庫であるらしく、なにやらガラクタめいたものがごろごろ置かれている。 | |
| 白夜 | なんだ、出口ではないのか。しかしいろいろ役に立つものはありそうだな。 |
| アリヤ | 剣もあるだらねー。しかし、うさんくさそうだっち… |
| 白夜 | 剣といえばお前だろう。使え。 |
| アリヤ | …使うったって、俺は今こんなだし元に戻っても剣あるだら。 |
| ルナ | じゃあこうすればいいですよ、トカゲさん! |
| アリヤ | な、なにするだっち! |
ルナ、怪しげな剣をぐるぐるとアリヤのシッポに巻きつける。 | |
| ルナ | これでOKです!ふう…… |
| アリヤ | 何いい仕事したみたいな顔してるっち!重いし!危ないし!飛びにくいし!つーか絵的にどう考えても無理だっち!ほーどーけー! |
| 白夜 | うわっ!飛び回るな馬鹿!危うく危うかっただろう! |
| リィナ | もう少しでアリヤさんの尻尾からすっぽ抜けた剣が脳天割るところだったねー、白夜さん。 |
| 白夜 | リィナ嬢のセリフも充分説明臭いぞ。 |
| アリヤ | はぁやっと抜けただっち! |
| ルナ | ああ、壁に刺さったこの剣…抜けなくなっちゃいましたね…… |
| リィナ | こうして封印された剣が伝説になっていくんだねー。 |
| 白夜 | 封印なのか?これが…… |
| ルナ | えーっと…他には何か…… はっ。こ、これは……覆面…?なんだかピンク基調でずいぶんと可愛らしい…よいしょ。う。ちょっとぶかぶかですね |
| リィナ | ルナちゃん何やってんの…? |
| ルナ | はははははははいっ?!あ、え、あの、何やってるかといいますと…その、ちょっとした遊び心というかいいいいえっ!遊んでないです!!えっと…り、リングネームが「ルナ」なので!!リング上で戦うお月様なので…っ!! |
| リィナ | る、ルナちゃん大丈夫?っていうか覆面とったら? |
| ルナ | …あ、う、すいません、おとなしくしてます…。 |
| 白夜 | しかし、ここの剣は全てあんな感じのものなのではあるまいな……ミシェルさんはに聞けば知っているのか? |
| ミシェル | 呼んだー? |
| 白夜 | うわびっくりした。ここの剣は役に立たないものばかりなのか?中の情報はあまりわからないかな。 |
| ミシェル | うーんそうねぇ、エクスカリビャーという名の三角木材とかヒライ剣とかいろいろあるみたいだけどー。 |
| 白夜 | もうどこからつっこんでいいのやら。 |
| ミシェル | 依頼品と○井賢って似てると思わないー? |
そろそろストプラネタやめとかないとファンから闇討ちされますよ。 | |
| ミシェル | でもねー、そこにある最強のお勧め品はー、多分その辺の意味ありげに盛り上がった岩に刺さってると思うんだけどー。 |
| 白夜 | これか…?何だ、何か書いてあるぞ。『我に従え、さもなくば抗え』……? |
| ミシェル | そう、それこそが、選ばれし者だけが手にすることが出来るという『天界魔剣・ゴッドファング』ー!! |
| リィナ | うわうさんくさっ!! |
| 白夜 | 魔剣なのに天界なのか?!そして神の牙なのか?!さらに何だかどっかで似たようなのを見たぞ?! |
具体的には「愛し君へ」の「モンテ★パパヤ」のおまけで。 ちなみに元ネタは小田原城に売っていた素敵なおみやげ物です。 | |
| ルナ | そして二つの剣が合体すると世界真剣とかになるんですね… |
| ミシェル | さあ、あなたにこのゴッドファングが抜けるかしらー?やってみてー? |
| 白夜 | なんだ、本当に私がやるのか?だいたい剣使いでもない私に剣が抜けるはずがぬおぉぉぉっ?! |
| リィナ | んきゃあぁぁっ?!びゃ、白夜さん何するのぉっ?! |
| 白夜 | わ、私ではない!剣が勝手に! |
| リィナ | やあんっ、いつもはこんな剣簡単に避けられるのにぃ、今のでリボンが切れちゃって力が出ないよぉ… |
| ルナ | それここだけの設定ですよね! |
| アリヤ | ああっ何と言うことだら!白夜が欲望の赴くままに剣をふるい、今若き婦女子の洋服を一枚また一枚と切り裂いているだっち!この男の風上にもおけないモナーが! |
| 白夜 | お前まで語尾を延ばすなトカゲ人間!だからこの剣が勝手にやっている事だと言っている! |
| リィナ | やっ、ちょ、やめてよ白夜さーん! |
| ルナ | 白夜さんはワイルドなプレイがお好きなんですね… |
| アリヤ | ああっ!ついに部屋の隅まで追い詰められた2人は涙を頬に観念したように目を瞑り!『観念したようだな』と白夜は呟くとおもむろにズボンのベルトに手を!! |
| 白夜 | そこのトカゲ!!ある事ない事ベラベラと喋るな!!通信機がオープンになっているのだから会話が他に筒抜け―――がふはぅっ!! |
| 花 | あなたがそんな人だと思いませんでしたわ!私がいない時に若い子に手を出すなんて、くらいなさい新妻エルボー&若奥様バックドロップ&人妻腕ひしぎ十字固め!! |
| 白夜 | ぎゃああああ! |
| リィナ | 人妻とか新妻とかつくと無駄にエロいよね… |
| ルナ | 考えすぎですリィナさん… |
面白いようにダメージを食らった白夜の手から、剣が転がり落ちる。 | |
| ルナ | あ、剣が…!は、早くこの剣を戻さなくちゃ… |
| リィナ | だ、ダメだよルナちゃん、その剣を持っちゃ! |
| ルナ | え、えええきゃあああ! |
| アリヤ | な、何をするんですかルナさん! |
| ルナ | わ、と、トカゲさんごめんなさいっっ!身体が、身体が勝手に動くんです!体が勝手に尻尾を切り落としておまじないの薬に使おうとするんです…!! |
| アリヤ | 何か黒いこと考えてるだらよこの人!! |
| ルナ | えっ!そ、そんなことないですよ!ちち違いますっ、剣がトカゲさんを狙うんです…! えっと…こ、この剣きっと、トカゲさんに恨みが…!そうです!!きっと恨みがあるんですよ!!「俺より輝きやがって」とかそういう…!!! |
| アリヤ | んなことあるかあぁぁぁ!!! |
| ルナ | 大丈夫です、あの、痛くしませんから!!一発でスパッと落としちゃいますからー!! |
| アリヤ | 全身全霊でお断りだっち!大体なんでまだ覆面かぶってるにら?! |
| ルナ | それは今関係ないじゃないですかーっ!! なんていうか、その、尻尾が切り落とされる瞬間を直視したくないんです!! |
| アリヤ | 流血前提?!勝手なこと言うなっちー!! |
| ルナ | かか勝手じゃないですッ!!私はリング上では不敗のレスラーなんですーーーっ!! |
| アリヤ | わけわかんねえぇぇぇぇ!!! |
ルナ、アリヤに斬りかかろうとしてよろけて壁に剣が突き刺さる。 | |
| ルナ | うぅっ!!壁に、剣が、刺さっ、ちゃい、まし、た…っ!! よ、い、しょ…っうきゃぁぁっ!! |
| リィナ | ルナちゃん、大丈夫?! |
| ルナ | 痛たたた…抜けたけど手から離れちゃいました… も、もう一回戻して来…あ、はい、すいません、おとなしくしてます…覆面も返してきます… |
で。 | |
| 白夜 | いやひどい目にあった……気を取り直していこうか。残るはこの湖と、湖の上に空いている穴だが。 |
| アリヤ | でっかい穴だらねー……先は暗くて見えないだら。ちょっと行ってみるだっち。 |
| リィナ | えーっ、リィナたちは? |
| 白夜 | この中で飛べるのは私とトカゲだけだから仕方がなかろう。少しここで待っていてくれ給え。 |
| ルナ | あのっ…!と、トカゲさん…!! |
| アリヤ | はい、なんでしょう?………………ああ、はい。………ええと。さっきから役に立ってないので連れて行ってください。と言いたいそうだら。 |
| 白夜 | ?そうか。だがお前がルナ嬢を抱えて飛ぶのは無理だな。仕方ない。少し失礼するよ。 |
白夜、ルナを横抱きに抱きかかえる。 | |
| ルナ | ………!!!! |
| アリヤ | わ、わわわ、何をするんですかルナさん、私も飛びますよ! |
| ルナ | わ、私を一人にしないで下さいトカゲさんっ……!! |
結局、白夜はルナを抱き、ルナはアリヤを抱いて飛ぶことに。 | |
| 白夜 | 何故私は飛べるトカゲを抱えていなければならないんだ… |
| アリヤ | 仕方ないだら、ルナさんが離してくれないだっち。 |
| ルナ | ………(ぼそぼそ) |
| アリヤ | ほら、お前がそんな事言うから気にして謝ってるだらよ |
| 白夜 | 何なんだ一体… しかし、なにやら妙に気持ち悪いな。壁に小さな穴が幾つも空いている… |
ふわふわと飛んでいった白夜たちを見送りながら、手持ち無沙汰げなリィナ。 | |
| リィナ | むーん、暇だな~…リィナも何か探してよっかな……って、え?なんか今ぴちって音しなかった? |
| 白夜 | んなああぁぁぁっ?!穴からいっせいにコウモリが! |
| リィナ | あーっごっめーん!なんか動かしちゃったみたい! |
| アリヤ | ごめんで済んだら自警団はいらなわぷっ!だぁっ!やめるだっちよー!! |
| リィナ | みんなーっ!今助けるからね!!せーのっ、フレイムボンバーっ!! |
| 白夜 | うわあぁぁっ!何をする、殺す気か!! |
| リィナ | あーっごめーんっ!ど、どうしようどうしよう、っそうだ、ミシェルさんからもらったフルート!これで動物を操ればいいんだ!レッドバット、カモン!! |
リィナ、魔法のフルートを構え、吹き始める。吹くのに慣れていないので微妙な演奏。 コウモリ、悪化。 | |
| ルナ | きゃああぁぁぁっ?! |
| リィナ | あ、あれえぇぇっ?! |
| 白夜 | いくら音楽スキルがなくても吹けると言っても、練習しなければ拍手は貰えないんだぞ!楽譜練習をし過ぎて解釈が疎かになってセレクションで一位になれなかった事もあるが!フルートなんて音を出すのも難しい楽器を選ばず、リコーダーにしておけばいいものを! |
何の話ですか。 | |
| ルナ | びゃ、白夜さ、大丈夫で…きゃああぁっ! |
| 白夜 | ルナ嬢!くっ……!! |
コウモリの総攻撃にあい、3人、あえなく落下。下に広がっていた湖に落ちる。 | |
| リィナ | きゃーっ!三人とも大丈夫っ?! |
| 白夜 | ぐぼがばぶぎゃあぁぁっ! |
| リィナ | ええええっ?!な、なんか面白い模様のタコが白夜さんを振り回してるよー?! ひ、光ってるからちょっとペンライトみたい………ぅぷっ。 |
| アリヤ | な、何とか助かっただら………ごふっ。けほけほ。 |
| ルナ | けほっ、けほ、と、トカゲさん、あ、ありがとうございます…岸まで引っぱってくれて…… |
| アリヤ | いや大したことないだらよ。無事でよかったっち。 |
| リィナ | 二人とも大丈夫?! |
| アリヤ | 大丈夫?!じゃないだらよ!誰のおかげでこんなことになったと思ってるっち! |
| ルナ | きゃあああっ!と、トカゲさんトカゲさん!びゃ、白夜さんが、白夜さんがペンライトみたいに面白いくらいに振り回されてます!! |
| アリヤ | な、何だらあの格子模様の派手なタコは?! |
| ルナ | こ、このままだと白夜さんが!トカゲさん、何とかしてください!! |
| アリヤ | ちょ、ちょっち待つだらよ……も、もう体力が…… |
| リィナ | じゃあリィナがこの笛で! |
| ルナ | それだけは切実に辞めてください! |
| リィナ | そ、そぉ?ちぇっ……… |
| ルナ | ど、どうしましょうどうしま……あっ!そ、そうだ、ミシェルさんにもらった魔物と話が出来る薬がありました! |
誰かが止める隙もなく、ルナ、道具袋から取り出した薬を一気に飲み干し、白夜を振り回しているタコに声をかける。 | |
| ルナ | …えっと、こんにちは…タコ、さん? ッきゃぁああ、ごめんなさいごめんなさい!! あ、え、あの、「タコだタコだって言うんだけどぉーあたしイカなんだよねぇー」だそうです・・・え、ギャル口調?は、そういえば、若若しい?言葉遣いのタ…イカさんですね。 あ、はいっ!はい、はい…えー、「証拠にするから足の数数えてくんない?」って? マジでぇー?私が足の数えんのぉー? |
| リィナ | …なんかだんだんルナちゃんに口調うつってない? |
| アリヤ | そ、そうですね… |
| ルナ | …ってなんですかこれ?!いやああぁぁっ! く、口調がっ!! 口調が移ってるんですけどー!!マジありえないーー!!! いやあぁぁぁっ!!こんなつもりじゃっ!!こんな…ううう…。 |
| リィナ | る、ルナちゃん落ち着いて! |
| ルナ | うー…とりあえず足数えんねー? 1,2,3・・・きゃー!マジだー!!イカじゃん、10本あるよ。 にしても、何で私達捕まえたのさー、食べる気?絶対おいしくないんですけどー。 あ? 「光ってるから気になって掴んじゃっただけ」ー? ちょっとぉ、気になるってどういう…え、そういう意味じゃないー? 「足が2本しかないようなオトコはありえない」ー!? ちょっとちょっとォ、多けりゃ良いってモンじゃないっつのー! 白夜さんの悪口とかやめてよー、マジ腹立つんですけどーっ!! |
| アリヤ | 完全に染まってますね… |
| ルナ | …あぁ、いちいちためらってたら話が進まないとは言えすっかり慣れてる私がキライです…。あぁぁっ、もー、どーでもいいしぃ!ふっきれちゃえぇっ!! |
タ…もといイカは白夜を解放し、ルナ、イカと数分間会話。 | |
| ルナ | えー、でも、イケてんじゃん、チェック柄のイカとか今時いないしぃー? アハハ、イカさんウケるー!!もう、3人ともも聞いた!?今チョーウケる事言ったんですけど!! あ…そっかぁ、私しか薬飲んでないからわかんないんだっけー。 そろそろ本題いっとく?うん、えっとさぁー。私らこっから抜けたいんだけどぉー。え、何?オススメの場所知ってる?マジで?マジ良いの? |
| リィナ | ………ぁ、なんか脱出できそう…? |
| ルナ | なんかぁー、イカさんが連れてってくれる…そうです…って、あ、も、元にもどったっっ!!…うぅぅ、恥ずかしかった… |
| アリヤ | 結構楽しんでおられたようですが。 |
| ルナ | そ、そそそそそそんなことないですっっ!! |
| リィナ | 白夜さん大丈夫~?なんか、脱出できるみたいよ? |
| 白夜 | っ誰のせいでこんなことになっていると……一応大丈夫だ、話は聞いていた…それで、具体的にどうやって? |
| ルナ | あ…あの、とりあえず足に掴まったら連れていって下さるそうで… |
| 白夜 | 何。ということは水の中を行くということか。 |
| リィナ | うーん、水路かぁ…みんなびしょ濡れになっちゃうね…そうだ!白夜さん、アイテム袋貸して! |
| 白夜 | アイテム袋というと、ミシェルさんにもらった望んだ物が取り出せる袋か? |
| リィナ | そう!水路なんだから、潜水服を考えて出せばいいんだよ。(がさごそ)よぉし出来た~♪ |
| アリヤ | なるほど、一理ありますね。 |
| リィナ | みんなの分も作ったよ!ほらっ! |
| ルナ | え、ええっ、なんですかこれ?! |
| リィナ | 白夜さんがアザラシのタ○ちゃーん。ルナちゃんはカエルさーん。アリヤさんはウーパールーパー!リィナはピンクの河童~! |
| 白夜 | 何なんだそのチョイスは……… |
| ルナ | アザラシは私なのに… |
| リィナ | えっ、こういうのが可愛くていいでしょ?んじゃ、イカさんに足引っぱられますかー!! |
| アリヤ | やれやれ……… |
石造りの壁に魔道の明かりが灯る通路。 傍らには人工と見られる大きな水路。イカに連れてこられた白夜、アリヤ、ルナ、リィナが潜水服を脱いでぜえぜえと息をしている。 | |
| 白夜 | 潜水服と言っても濡れないだけで快適さとは程遠いな。……大丈夫か、ルナ嬢。 |
| ルナ | はっ?!……と、トカゲさんっっ!! |
| アリヤ | のわっ!いきなり引っ張るなっち!………あー、その、大丈夫らしいだらよ。 |
| 白夜 | …いつも思うのだがどうして貴様がいつもルナ嬢を代弁するんだ? |
| ルナ | …………っ! |
| アリヤ | あー、特に他意はないっち。気にすることはないにら。 |
白夜、少し厳しい表情をしてしばらく考える。 | |
| 白夜 | わかった。もういい。 |
| ルナ | えっ………? |
白夜、立ち上がってすたすたと先に行ってしまう。呆然と見送るルナ。 | |
| ルナ | そんな…私…嫌われちゃったんだ…。あんまりにもウジウジしてるから…。 そうだよね、考えたら、白夜さんの奥さんってはっきりした方だったし… あぁぁぁっ、私のばか!!どうしてちゃんと話ができなかったのーっ!! |
| アリヤ | んのおぉぉぉっ!!俺様を握りつぶすなっち!! |
| ルナ | …う…うぅっ、トカゲさあああああぁぁぁぁぁぁんっ!! 今のってやっぱりあの、あれですよね!?私、私、あの、わ、う、わーーーーん!! |
| アリヤ | あ、あの、ルナさん、落ち着いてください。 |
| リィナ | ルナちゃん、泣いちゃダメだよー!もじもじしてるのはいいことじゃないってリィナも思うし…そりゃ、白夜さんには花さんがいるけど…とにかく、気持ちはガツンと伝えないとね! |
| ルナ | やっぱり私みたいにウジウジしたのって駄目なんでしょうか!?もっとこう豪快な感じの女性が良いんでしょうか…っ!? やっぱりあの時ミシェルさんに「鼻から牛乳を飲んでも痛くならないアイテム」を作ってもらっておけば ユーモアを発揮できて少しは好かれたんじゃ… |
| リィナ | いや、それはさすがにひくんじゃないのかなぁ。ていうかユーモアはすでに充分すぎるほど伝わってると思うよ。 |
| ルナ | まさか!!今より酷い状況なんてありえないですー!! |
| アリヤ | 何言ってるのかさっぱりわかりません、ルナさん、落ち着いてください… |
| ルナ | ですから!!やっぱり鼻から牛乳は大切だったんですよーーーーーっ!! |
支離滅裂になっているルナはさておき。 白夜が石造りの道を進んで行くと、奥から聞き覚えのある話し声が。先へ進んで行くと、少し開けたところに出る。そこに、すでに他のメンバーが集まっている。 | |
| 白夜 | おお、何とか合流できたようだな。 |
| ミケ | 白夜さん!ご無事でよかったです。 |
| 白夜 | ……………ミケ、他人の趣味にとやかく口を出すつもりはないが… |
| ミケ | 似合いますか?似合うなら良いです。あはははははは。 |
| 白夜 | 黙れこのパンチラ。 |
| ミケ | パンチラ?!み、見えてますか?! |
| 白夜 | 美少年が美少女ぶって。どこのジャンルに向けて発信しているんだ。萌えと言って欲しいのか? |
| ミケ | ううううう……… |
| ゼクセア | まあまあいいじゃない白夜、ミケは女の子なんだし。 |
| 白夜 | ってゼクセア嬢も何という格好をしているんだ。 |
| ゼクセア | これ?なかなか奇抜でしょ、大人の身体に子供の服。 |
| 白夜 | いや、いい年をした女性が幼稚園スモッグというのは奇抜を通り越して特殊な趣味だと思うんだが…私が訊いているのはそういうことではなくてだな。 |
| ミケ | というかゼクセアさん、今聞き逃せない一節があったんですが。 |
| ゼクセア | え、何? |
| ミケ | 僕は、男、ですけど? |
| ゼクセア | ええ?またそんなこと言っちゃって。そんな可愛い男の子がいるわけないじゃない。ちょっとハスキーな声しただけの女の子でしょ? |
| ミケ | 証拠見せないとダメなんですか…?とにかく、僕は男ですんで、お間違いなく。もう誰にもつっこまれなくなった設定だと思ってたのになー…… |
| 白夜 | 女顔美形ありがちの話はいい。なんなんだこのマニアックな服のチョイスは。 |
| ミケ | 僕が持ってきたんですよ、皆さん服が濡れて大変そうだと思いましたんで。 |
| 白夜 | 爽やかな笑顔だな。そうするとあそこで牛柄のメイド服を着てうずくまってる図体のでかいのと同じ服着てるペットも君のチョイスか。 |
| マジュール | よりによって…よりによって私の知られたくない過去を2つも盛り込まなくても…… |
| キャティ | マジュールさんどうしたにゃ?キャティはこれ可愛くて好きにゃ♪ |
| ミケ | いやー、マジュールさんのサイズに合うのがあれしかなくてですね。 |
| 白夜 | 爽やかな笑顔は確信犯にしか見えないな。 |
| ミケ | 白夜さんにもお持ちしたんですよ。服、濡れてますよね。向こうに皆さんもいらっしゃるんでしょう?まずは着替えて体勢を整えましょう。 |
| 白夜 | その笑顔が怖いが…確かに服は濡れているしな。向こうのみんなにも着替えを渡してこよう。 |
| ミケ | いってらっしゃいませ~。 |
10分後。 | |
| 白夜 | だからなんなんだこのテカテカしたノースリーブ臍出しと短パンは?!私に風を受けて踊って歌って欲しいのか?! |
| ミケ | いや、白夜さん光りますし。うららスーツっていうんですよ♪ |
| リィナ | ミケちゃん、動きにくいよこれ… |
| ミケ | お若い女性なのですから、慎み深い格好をした方がいいと思いますよ…ナノクニに伝わる十二単という装束だそうです。 |
| アリヤ | これは何の嫌がらせだら…?つーか今俺様は着れないっち! |
| ミケ | あー…人間用だったんですが。緋色の襦袢。人間の時の服もこれくらい結構きわどくありません? |
| ルナ | あ、あ、あ、あの、こ、これ、どうしても着ないとダメですか…? |
| ミケ | おおー。女王様ルックですよ。これで愛する男性を従えて下さい。まぁ普段は赤いマントと眼鏡で隠しておけばいいですけどね。ここぞというときにマントを脱いで暴走した男性を鎮めるのです。 |
それも古いな。 まぁとりあえず合流したところで、先に進むことに。 | |
| マジュール | だいぶ深くまで来ましたが…結構しっかりとしたつくりですね。よほど重要な研究をしていたんでしょうか…… |
| ミケ | そうですね、構造も緻密に計算されているようですし…まあ、罠は微妙ですけど… |
| レティシア | あ、ねえねえ、ドアがあるよ。ここじゃないかな。 |
奥のドアを開けると、そこは書庫のようだった。所狭しと本棚が立ち並び、棚に納まりきらない本があちこちに積まれている。 中央には、作業机らしい割と大きな机。ここにも本が詰まれており、中央には書類。ずいぶん古いもののようで、かなり劣化している。 | |
| リィナ | うわぁ……!すごい本だね! |
| 白夜 | ずいぶん色んなことを研究していたようだな。「エレメントが魔道力学に与える力を考える」というものから……「長ネギの茎に潜む霊的驚異」?何だこれは。 |
| ゼクセア | ミシェル、ここにはあなたの探しているものがないのは確実なのね? |
| ミシェル | ええ、書庫に置くような本じゃないからー。その中は探さなくていいと思うわー。 |
| アッシュ | では、ここにあるものは自由に持ち帰って良いのだな? |
| ミシェル | そうねー、私の探すものはそこにはないからー。 |
| キャティ | でもぉ、ここに来るまで一本道だったし…この部屋に他に出口はないよー?そのプライヴェートなルームってどこにあるのにゃ? |
| ミシェル | うーん、どこかに隠し扉とかないかしらー?探してみてくれないー? |
| アリヤ | 隠し扉ですか?そうですね、少し探してみましょう…… |
| ルナ | ほ、本棚とか…実はどんでん返しになってたりしないでしょうか?!こういうの、実は横に動いて隠し扉とか隠し金庫とか裏ビデオがぎっしりとか、そうに決まってます…! |
各自、部屋のあらゆるところをごそごそと探し始める。 | |
| 白夜 | しかし、何年前のものなんだ、これは……机の上もずいぶん散らかっているが…何の論文を書いているのか…ん? |
| ミケ | どうしたんですか、白夜さん。 |
| 白夜 | この論文…………ここの主が書いたものらしいのだが、ミシェルさん。 |
| ミシェル | はいー? |
| 白夜 | 論文の執筆者の名前が…… ヒューリルア・ミシェラヴィル・トキス と書いてあるのだが。 |
| ミシェル | …………………… |
| 白夜 | この遺跡にいた賢者というのは、ミシェルさんのことなのか? |
| ミシェル | …………………… |
| 白夜 | ミシェルさんが探しているのは、ここの賢者の残していったものだと言った。だが確かに、その賢者が自分でないとは一言も言っていない。 |
| ミシェル | …………………… |
| 白夜 | 我々は要するに、貴女の忘れ物をここに取りに来させられたと、そういうことなのか? |
| ミシェル | ……………………なお、この通信機は自動的に消去されるー |
| 白夜 | 逃げるなあぁぁぁっ!!のわあっ!! |
ぼん!と爆発する通信機。 | |
| ミケ | けほっ、けほ………ちょ、ちょっと、どういうことなんですか…! |
と、どこからともなくビムビムビムビムと警報音が鳴り響く。 「室内で火気確認。侵入者あり。侵入者あり。直ちに排除します」 | |
| ルナ | え、えええぇぇぇぇぇっ?! |
| キャティ | まぁじでえぇぇぇ?! |
がすん。がたん、どたん、ばたん。 本棚が高速で折りたたまれ、がしゃんがしゃんと音を立てて壁が出たり引っ込んだりしていく。 ごごごごご、と床が揺れ、机の上の本が全てバラバラと落ちる。 ごしゃん、がしゃん、ぐわしゃん。 今やちょっとしたホール並の広さになった書庫の奥の広い壁が変形していく。 左右からは大きな手のひら。 中央には顔。 ゴツゴツとしたレンガで出来た不気味なゴーレムが壁から突き出ているような感じ。 カーソルはきっと「警報装置・左腕」「警報装置・右腕」「警報装置・本体」とか。 「侵入者は、100秒以内にこの遺跡を脱出しなさい。さもなくば抹殺します」 | |
| アリヤ | できるかあぁぁぁぁっ!! |
| ゼクセア | どうやら、戦うしかないようね…ふふん、腕が鳴るね! |
| ルナ | ほ、ほ、ほほほほんとに戦うんですかあんなお化けみたいなの無理に決まってます私ここで死ぬんだわパトラッシュ何だかとっても疲れたよああああ… |
果たして冒険者達は、きっちりボケて………いや。 行く手に立ちはだかる理不尽な警報装置に打ち勝つことが出来るのか?! そして、ミシェルの「忘れ物」とは一体何なのか?! 「賢者のわすれもの」次回堂々完結!! そして、伝説は繰り返される……… …いやもう勢い以外の何で書けっていうんですがマジ。 |