Play By e-Mail(PBeM)の一般的な遊び方をご説明します。

PBeMとは

PBeMとは、「Play By e-Mail」の略で、メールを媒体として進行するゲームを指します。

TRY AGAINで採用されている形式は、「アクション・リアクション形式」といい、プレイヤーが作成したキャラクターの行動を申告し、複数のプレイヤーの行動(アクション)を取りまとめて物語を進行した結果をリアクションとして公開することでゲームが進行していきます。

小説の中で自分のキャラクターがどう動くかを書き手に伝え、書き手が小説の続きを書いていく、というイメージです。

ゲームの流れ

1.キャラクターを作ります。

名前、性別、種族、職業、喋り方や性格など、キャラクター作りのルールに沿ってキャラクターを作成していきます。
この、あなたが作ったキャラクターのことを「プレイヤーキャラクター」と呼び、普通は「PC」と略されます。
これに対し、キャラクターとあなたを区別するために、PCを作り、動かしている人(つまりあなた)のことを「プレイヤー」と呼び、「PL」と略されます。

2.募集中のシナリオを見ます。

PCが実際に活躍する舞台として用意されたお話を「シナリオ」といい、シナリオを書く人のことを「ゲームマスター」と言います。「GM」と略されます。
まずは「募集中」と書いてあるシナリオを読んでみましょう。
冒険、推理、日常、シリアス、ホラー、コメディ、ラブロマンス。舞台もジャンルも様々です。シナリオによって目的も違いますから、シナリオ内でGMが言っていることをよく読んで、参加するかどうかを決めましょう。

3.アクションを送ります。

シナリオ内のアクションフォームから、次に自分がどう動くかを書いてGMに送信します。この行動宣言のことを「アクション」と呼びます。
このアクションは、GMがシナリオの続きを書く元になるものですので、できるだけ細かく書くといいでしょう。アクション書き方講座なども参考にしてくださいね。

4.GMが集まってきたアクションを元に、リアクションを書きます。

GMは、あなた以外のPLからも送られてきた多くのアクションを元に、お話の続きを書いていきます。この、アクションを元にして書かれたものを「リアクション」と呼びます。
また、シナリオ中に出てくる、PC以外のキャラクター、GMが動かすキャラクターのことを「ノンプレイヤーキャラクター」と呼び、「NPC」と略します。

5.リアクションが発表され、PLが読みます。

GMは、リアクションを書き終わったらこのサイト上で公開します。
それを読んで、お話の続きを把握し、また次の行動を考えていきます。
自分の送ったアクションが成功するとは限りません。活躍できるかできないかは、あなたのアクション次第です。
がんばってキャラを動かして、活躍させてあげてくださいね。

3~5を、シナリオが終了するまで繰り返します。

サンプルシナリオ

冒険編

今まで行動を共にしてきたNPCが、敵としての本性を現した。戦闘開始、という場面で。

リリィの行動

あの方が味方のふりをして私達の様子を窺っていたのはうすうす気付いていました。
ええ、だから手加減をする必要も理由もありませんよね。
得意の魔法で、手加減無しでお相手いたします。接近戦はできませんから、まず距離を離すことを優先で。フェイリアの方ですから、水魔法が有効でしょうか。水刃を使いたいと思います。
ああ、もし、説得なんていう甘っちょろいことをしようとする方がいらっしゃれば、そんなことは無駄ですよって教えてあげますね♪

メイの行動

そんな…あの方が魔物だったなんて…信じられません。
だって、今まで苦楽をともにしてきた仲間なのですよ?互いに争いあうなんて、わたくしにはできません。
元のあなたに戻ってくださいませ…わたくしたちと、また冒険に出かけましょう。
わたくしはあなたと戦うことなど出来ません。説得をさせていただきますわ。

セレの行動

「…敵は、倒すだけ」
セレにとって、自分に殺意を向けるもの=敵=攻撃対象でしかありません。
彼女にとって、カレンが一緒に旅をしたということは、それ以上の意味を持ちません。
技能:ダガーを使って、一気に距離を詰め、倒そうとします。軽装な彼女は、スピードが勝負ですので。
仲間が止めようとしても、聞きません。敵の話も聞きません。
ただ黙々と、戦いに身を投じます。

キャットの行動

にゃーん、大変なコトになったワネ。
キャット、戦うことなんて出来ないワ。戦うのがイヤなんじゃなくって、相手を倒す技術なんて持ってないモノ。
だから、キャットはソッコーで安全なところに逃げて、高みの見物をさせてもらうワ。
裏切り?あのコはあのコの目的を持って行動していただけでショウ?


このアクションをまとめて、↓のようにリアクションが綴られていきます。


「そんな…」
メイはよろよろと、カレンに近づいていく。
「あなたが魔物だったなんて…信じられません。嘘でしょう…?そう言って下さいまし…」
悲しそうな瞳でそう告げるが、カレンは鼻で笑った。
「嘘じゃないわ。あなたたちについてきたのも、あなたたちにあいつを倒してもらえば、私の力が戻ってくるから。
ありがとう…おかげで思う存分力を振るうことが出来るわ!お礼に、あなたたちはたっぷり苦しませて殺してあげる!」
にぃっと、見たこともないような残虐な笑みを浮かべて。
しかし、メイは諦めずに言葉を続けた。
「何故…わたくしたちは、今まで苦楽を共にしてきた仲間ではありませんか!互いに争いあうなんて、わたくしにはできません!」
目じりには、涙さえ浮かんでいる。
「元のあなたに戻ってくださいませ…わたくしたちと、また冒険に出かけましょう?」
その言葉に、カレンは表情を険しくする。
「何かといえば、仲間、仲間…」
ぎり、と手を握り締めて。
「あなたたちのそのベタベタしたところが、一番気に入らないのよっ…!!」
なぎ払うように手を振ると、そこから炎が巻き起こった。
「!…」
避けるひまなどない。メイは炎に焼かれるのを覚悟して目をつぶった。
「護・水・壁!」
リリィが展開した水の壁が、巻き起こる炎を散らしていく。
炎が消えた瞬間、いつの間にか腰のダガーを抜いたセレが一気にカレンとの距離を詰めた。
「セレ!」
メイが悲鳴に近い声を上げる。
「くっ…!」
交互に繰り出されるダガーをぎりぎりかわし、カレンは高く跳んでくるりと身を翻すと、距離を取って着地した。
「水・刃!」
そこに、リリィの放った魔法が迫る。
大気中の水分を凝結させて作った大きな水の刃が、四方からカレンに襲い掛かった。
「ぐあぁっ!」
何とか3つはかわせたものの、一つがまともにカレンの足を切り裂き、赤い血が水に溶けていく。
「リリィ!やめてください!」
メイがリリィを振り返るが、彼女はいつものようににこりと笑みを返した。
「メイ、無駄なことはよした方がいいわ?」
「無駄…?なにが無駄だというのです!」
叫ぶメイの後ろで、セレが再び地を蹴ってカレンに向かっていく。
「セレも、やめてください!カレンは仲間なのですよ?!」
セレは答えず、ひたすらにカレンに刃を繰り出している。メイの言葉が届いているのかどうかも怪しい。
リリィは笑顔のまま、メイに言った。
「私はカレンが私達の様子を窺ってるってわかっていたわ。いつか、こうなることもね。
あれが彼女の望みなんですもの。私達に殺されてあげるつもりがない以上、戦うしかないでしょう?」
「でも…!!」
なおも食い下がるメイに、リリィはくすりと笑った。
「じゃあ、あなたはそこで見ていなさいな。自分の身は、自分で守ってね?」
言って、意識を魔術文字に集中させた。

「アラアラ、がんばってるワネー。早めに逃げてよかったワ」
早々と屋根の上に逃げて、高みの見物を決めているキャット。
「あのコが魔物だなんてネ。ま、キャットはどうでもいいケド」
嘆息して、眼下で繰り広げられる戦いを見やる。
「早く終わってくれないカシラ~」

探偵編

大富豪から、娘を探して欲しいという依頼があった。依頼を受けて捜査開始、という場面で。

リーの行動

そうね…まずはその、娘さんが失踪する理由に心当たりがないか、訊いてみたいと思うわ。
こんなお屋敷に住むなんて、あたしには到底想像がつかないし…あたしの想像のつかない苦労も、色々あったんじゃないのかしら。最近、お父様とケンカをされたとか、ご家族と何かトラブルがあったとか…そういうことはなかったかしら?

ロッテの行動

ちゅーかさ、まずその、なんだっけ、セリナちゃんだっけ?どんなコなのか教えてよ~ん♪まずは身長体重とスリーサイズ?基本だよねぇvどんな食べ物がスキで、どんな服がスキで、どんなモノにハマってたかとかさ。パパさんの知ってる範囲内でいいから、教えてよ♪

エリーの行動

依頼は受けたものの、あまり乗り気ではない様子です。
「大方、窮屈な生活に嫌気が差し、タチの悪い仲間に興味本位で首を突っ込んで、抜け出せなくなったとかそんなところじゃないのか?」と思ってます。依頼人にもあまりいい印象はありません。
とりあえず、娘の毎日の行動パターンを知りたいです。何時にどこへ行き、何をしているのか、交友関係は、など、知っている範囲で構わないので教えていただきたいです。
訊き方も、あまり礼儀正しくはありません。どっちかというとぶっきらぼうなのかも?本当にあまり乗り気でないので…「どうせあんたは知らないだろうが一応聞いとくぜ、あんたが何を知ってるのかっていうのも情報のうちだからな」みたいな。

キルの行動

聞き込みは皆さんにお任せして、私は外で調べ物をさせていただきますよ。
私達を雇った、ということは、正規の手段での捜索はもうされたことでしょう。自警団に持ち込む…などといったことですね。そうされていないのなら、自警団に持ち込むことが出来ない理由がおありなのでしょうし(^^)
どちらにせよ、蛇の道は蛇…少しばかり、いかがわしいところに伝手がございますので、私はそちらをあたってみることにしますよ。


このアクションをまとめて、↓のようにリアクションが綴られていきます。


「じゃあ、早速だけど…」
アレックスに質問をしようとしたリーの言葉を遮るように、キルはす、と立ち上がった。
「私はこちらを失礼させていただいて、外で調べ物をさせていただきますね」
「キル?」
きょとんとするロッテに笑みを投げて、キルはアレックスの方を見る。
「聞き込みは皆さんにお任せして大丈夫でしょうし…それに、私達を雇うということは、正規の手段での捜索はもうされて、それが無駄だと思われたから、ということでしょう」
そして、意味ありげに間を置いて、続ける。
「もちろん、自警団にも持ち込まれたことでしょうし」
アレックスの表情が、さっと変わった。
キルは満足げに微笑むと、きびすを返す。
「もちろん、そうされないからには、そうできない理由がおありなのでしょう。そこまで詮索はしません。
どちらにせよ、蛇の道は蛇…少しばかり、いかがわしいところに伝手がございますので、私はそちらをあたってみることにしますよ」
言いたいことだけ言って、彼は部屋を出た。
微妙に気まずい沈黙がたちこめる。
「ったくぅ、しょんないなーアイツ」
ロッテが肩をすくめてそれをこともなげに流すと、アレックスに質問する。
「ちゅーか、まずはアレだよね。セリナちゃんだっけ、どんなコなのか教えてよん♪」
にこにこと上機嫌に訊くロッテ。
「まずは身長体重とスリーサイズ?基本だよねぇv」
「ロッテ!真面目にやりなさい!」
リーが苦い表情で横やりを入れる。
「なーにいってんのさぁ、ボクはマジメだよぅ?まずは探すコのことよくわかんないと、探せないじゃん?」
ロッテはけろりとして、続けた。
「セリナちゃんが何がスキで、どんなものにハマってたか?パパさんの知ってる範囲でいいから、教えてv」
ロッテのノリに調子を狂わされた様子で、アレックスは答えた。
「は、はぁ…恥ずかしながら、あの子の好みは、私にもよくわからない状態でして…」
「パパなのに、娘のスキなものわかんないの?ふぅ~ん」
特にそれがどうということでもないように相づちを打って、ロッテは口をつぐんだ。
「ええと…じゃあ、セリナさんが失踪する理由に、何か心当たりはあるかしら?」
それをきっかけに、リーが切り出す。
「最近、お父様とケンカをされたとか、ご家族と何かトラブルがあったとか…そういうことはなかったかしら?」
アレックスは暗い表情でため息をついた。
「正直を申しまして…繰り返しお恥ずかしい話なのですが、私は仕事の都合で娘と食事の時も顔を合わせないこともしばしばでして…下手をすると1週間顔を合わせていない、ということもあるほどです。家の中でトラブルがあったという話も聞きませんし…無論、私とも、顔も合わせていないほどですから喧嘩など出来るはずもなく…」
「そう…」
寂しそうな表情をするリー。
「仕事一辺倒で、物は豊富にあるがろくに話もしない父親、ねぇ。誰かの言じゃねえが、パターンだな」
肩をすくめて、エリーが言った。
「これだけの屋敷を持った金持ちの娘だ。大方、窮屈な生活に嫌気が差し、タチの悪い仲間に興味本位で首を突っ込んで、抜け出せなくなったとかそんなところじゃないのかとは思っていたがね。
ま、一応訊いとくよ。俺は、娘の毎日の行動パターンを知りたいね。いつもは何時にどこへ行き、何をしているのか、っていうことだ。出来れば交友関係もな。無論、あんたの知っている範囲内で構わない。あんたが知っているのが何か、というのも情報だからな」
「はぁ…私の知っていること、でしたら」
複雑そうな表情で、アレックスは答えた。
「娘はハイスクールに通っていて、ストゥルーの刻までには家へ帰り、食事をして、その後家庭教師がついています。
マティーノの半刻には就寝しているようですな。
交友関係は、やはり私にはわかりかねます」
「そうか…」
エリーは俯いて腕を組んだ。