4エレメンツ最終話です。ニースへの引きとなる話として、表には出さないまでも個人的に盛り上がっておりました(笑)この個人的な盛り上がりをどれだけ気取られずに、最後まで溜めて溜めて一気に出すかというのが個人的な満足感に繋がっております(笑)
ところが、出したいことを隠して溜めているだけでは、出した時の効果は薄いわけです。
「実は、こういうことだったんですよ!」
「……はぁ、そうですか。で?」
となってしまうと失敗(笑)
伏線として思わせぶりなことをしたり、逆にミスリードをするような出来事を出して、読み手の注意をひきつけておかなければならないわけです。
「実は、こういうことだったんですよ!」
「な、なんだってー?!」
というのが理想(笑)
でも、ミスリードとして嘘を書いてしまったり、ミスリード後の種明かしがあまりにも矛盾していたり、重箱の隅をつつくような細かいことだったりすると、読み手は醒めてしまいます。「ただ読んでる人を裏切りたいだけでしょ」となってしまう。あくまでも主線を、真実とは逆向きに読ませるように、それでいて真実と逆のことは語っていないように、そして屁理屈にならないように(ここ重要(笑))言葉を弄さないといけない。その辺の匙加減が、難しいですよね。

今回このミスリードとして出したのが、まさしく「リィ」でした。
目的は「敵と思わせて、実は味方だった」という返し方をすること、そしてニースに繋げるために、トラアゲの案内嬢である「リー」だったんですよ、という種明かしをすること。
この二つのもくろみは、ほぼ上手くいったんではないかな、と思います。リリィの名前と似ていることから、リリィだと誤解して下さり(笑)リィのところに来て詳しく聴取とか問い詰めとかしてくれなかったらどうしようと思いましたが、まずまず気になる伏線の張り方が出来たようです(笑)

が(笑)それに夢中になるあまり、ちょーっと2回目のアクションフォームを失敗してしまいました(笑)
1回目は、とりあえず情報収集。街の中で情報を聞いて回ってもらい、現状把握をしてもらいました。
そして、100年前の幽霊騒ぎの犠牲者がメイであること、どうやらそのメイが過去をなぞるように幽霊騒ぎを起こしているらしいことが判りました。このままでは、100年前と同じように暴走した町人によって、同じように犯人に祭り上げられた人が犠牲になってしまう、さてどうする?という引きです。
これに対して、あたしが作ったアクションフォームでの質問は、こんな感じでした。

・もう一度調べに行きたいところ
・町人を止めるためのアクション
・メイへの言葉

ええ、今になって冷静に見れば判る。
「じゃあ、メイはどこにいるの?誰が犯人なの?」という項目が、綺麗に抜けているんです(笑)
その項目を作らなかったために、PLさんは「町人を無事になだめて追い返せば、メイが現れて事件が解決に向かう」と思ったのだと思います(笑)それを前提としたアクションが送られてきました。
このあたりからかな?アクション掲示板を用意して、PLさまに活発にアクションの相談をしていただけるようになり、突撃してきた町人を上手くなだめて惨劇を防ぐ、というアクションは、PLサイドの発案で発展し、大変良い形で連携を取ることが出来、このアクション自体はとてもすばらしい出来だったと思うんです。
でも、災いの芽を摘み取らなければ、事件は解決とは言わないんだな(笑)
あたしは慌てて、皆さんに対して上記の質問をメールで追加しました(笑)それに対してお返事を下さった方の返事は一律で「ロン=メイでしょ」というもの(笑)そりゃあ、今までの登場人物の中にメイがいますよ、と確実にわかっていれば、該当するのはロンしかいませんものね(笑)
ということで、上記の質問がなくても、アクションの中に「ロンがメイなんじゃ」と書いてきてくださったクルムさんは、他のPCより一歩進んで真実に気づき、その他の皆さんはリーが促すことで気づく、という描写をさせていただいています。

あーもー、返す返すも失敗だったなー。リーに夢中になりすぎた(笑)
メイの正体を暴くことがシナリオのメインなんだから、そっちの方にもっとフェイクを用意するなりなんなりして、謎解きをメインに据えるべきだったんですよ(笑)それか、いっそメイを隠すという要素を取っ払ってしまうか。町人を退けた時点で、どっかからメイが現れて恨み言を言ってくれれば、そのまま繋げたんですよね(笑)
あー、ホント、すんませんでした(笑)

さて、4エレの中で最も不評だったのが、この「幽女」でのメイの主張、でした(笑)
要約すると、

「お前らが当たり前に出来ることが、すべての人に出来ると思うな。
偉そうなこと言うんなら、まずお前がそれを完璧にこなしてからにしろよ」

ということ。
彼女だけが、努力して何かを勝ち得ることを最初から全否定しているんです。全力でネガティブ、かつ開き直ってるんです(笑)
これには、話が終わってから異を唱える人が当社比で倍以上(笑)
まー、「がんばんなくたっていいじゃん!お前らだって同じだろ?!」という逆ギレを、正々堂々とかましてくる人はあまりいませんわな(笑)
PBeMは送られてきたアクションに対してGMが返事をするという形式で行われている以上、NPCが言い負かされるとGMが決めていなければ、どうしてもPCが言われっぱなしで終わることになります。PLとしてはそりゃあ、面白くないですよね(苦笑)

ただねえ。今なら、別の言い方が出来る。

「空気を読めない人に、空気を読めと言うのは、とても残酷なことなんですよ」(苦笑)

わからないんです。できないんです。努力でどうにかできることではないんです。
その結果、本人がとった選択肢が「集団を離れること」だったとして。
集団側が「なぜ溶け込む努力をしなかった」と責めたてるのは、あまりにも残酷なことだと思います。
住み分け。大事なことじゃないですか。離れることで何か迷惑をかけましたか?離れることが迷惑にならない唯一の手段だというのは間違っていますか?
みんな仲良く。理想です。大事なことです。でも理想でしかないということを、みんな経験で知ってるんじゃないでしょうか。
すべての人が、何の努力もなく、丸く収まる世界など、この世には存在しないですよ。

反論メールを送ってくださった方には、すべて全力でお答えをさせていただきました。
納得行った方も行かなかった方も(笑)このお話を通じて何かを考えてくださったなら大満足かな、と思います。

余談1。
この「瑠安幽女奇譚」。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、はじめはリュウアンではなく、ナノクニの話でした(笑)
タイトルも「奴国幽女奇譚」でした。メイはギョウ・メイリンでなく、朝比奈芽衣という名前でした。知ってる人はこいつこういう漫画も読むんだなと生ぬるく笑ってください、好きです吉田聡(笑)
確か、これが始まる時期くらいに出ていた他のGMさんのシナリオが、ナノクニが舞台の、幽霊を題材にした話だったので(笑)さすがにベビベに続いてここまでかぶるとまずいだろ、ということで、リュウアンにしたのだと思います(笑)
結果として、大好きな中華風テイストの国を作ることが出来たので満足ですが(笑)

余談2。
第1話には出ていたけど、第2話で存在を抹消されたPCがいます…2人(笑)
1話でもそれほど多くのアクションを送ってこられたわけではないのですが、2話でアクションを送ってこられなかったので催促したところ、「適当にやってください」という返事が返ってきまして(笑)
で、適当に、1話でのリアクションシーンも全部消去し、最初から出ていなかったということにさせていただき、さらに登録も抹消させていただきました(笑)ここまで厳しい処置をしたのは、後にも先にもこれ一度きりです。
ゲームってさ、GMとPLの相互の信頼で成り立ってると思うんですよ。
自分が適当なことをすれば、それはそのまま自分に返ってきます。それはリアクションでも、そしてついでに現実の世界でも同じことだと思います。
皆さんには、ぜひ無理のない範囲内で、誠実なプレイングをして頂きたいな、とそれだけを望みます。