4エレメンツ→ニースの流れは、月明かり9話を書いてた辺りから考え始めてました。エレメンツには愛着があったので、ちゃんと過去とか作ってあげたいと思ってましたし、その流れでチャカの過去、それからロッテとの繋がりを描けたらドラマチックかなーと思ったのです。

ということで、トップバッターはリリィです。
元ネタは、闇獣と同じ「聖竜白書」の、まさにリリィの話。ラヴィが夢の中に沈みこんでしまう呪いをかけられて、それを助けに行く…という話ですが、トラアゲでのリライトに当たって、リリィの立場を180度変えました。まあ、聖竜白書はリリィ正義側なんで(笑)リリィが助けに行く立場だったわけですが、トラアゲでのリリィは悪側なので(笑)ラヴィに呪いをかけた本人、という立場に立っていただくことになったわけです。
そういうわけで、PCには元はリリィが担っていた立場、つまり夢の中にラヴィを助けに行く、という立場に立っていただくことになりました。
次に導入です。元の話でも、夢の中の視点から始まり、実はこれは夢で、ラヴィを夢の中から救うために入っていったんだよ、ということが明らかになるのは物語の終盤になってからでした。その演出は自分でも割と気に入っていたので、それを崩したくないなというのがありまして。その流れで、PLさんにも「彼女は勇者です。あなた方は勇者の仲間です。トラアゲ世界とかそういうのはとりあえず頭から外して、その前提で考えてください」という無茶を押し付けました(笑)
トラアゲ世界ではない、作られた架空の世界である、ということを意識して印象付けるために、導入から街の名前からイベントの流れから、すべて不朽の名作ドラゴンクエスト3を踏襲しました。ネタをわかっていただける方々ばかりで良かったです(笑)
そして、「これは夢の世界で、冒険者達はラヴィを助けるために現実の世界から彼女の精神世界に入っていった」ということを描写するのに、どうしても「現実世界側に留まっている人」が必要になりました。でも、絶対出番が少ないに決まっているその役割をやりたがる人がいるとも思えませんでしたし、何より第1回のアクションを送っていただく時点で「これはラヴィの夢の世界である」ということは伏せておきたかったのです。
第1回アクションを送っていただく時に、各職業は一人まで、かぶったら能力値で判定をして負けたほうが残っていたポジションについていただきます、ということにしたのは、この「傍観者」のポジションをどうしても作りたかったからなのでした。能力値判定であぶれてしまうことになったセアさんには申し訳ないですが(苦笑)まああの、ゲームなんで(笑)ちなみに「意志」の値で判定をしています。

導入に行を食いましたが(笑)ということで、第1回アクションは「ラヴィに対して何を訊くか、何を言うか」ということに焦点を当てました。いきなり訳わかんない世界に放り込まれて、「この子に何訊く?」って言われても(笑)ということもあって、みなさん割と当たり障りのないことを聞いてきたかなー、という気はしました。その中で、「お前は何で勇者やってんだ」という根本的なところを問うてきたジェノさんが目立って、さらになんだかラヴい雰囲気まで作り上げてくださったのはタナボタでした(笑)みんなが訊いてきてくれたことでラヴィが成長する、という過程が満足の行くように描けたと思っています。
第2回は「リリィに対して何を言うか、何をするか」ということに焦点を当てさせてもらいました。ぶっちゃけて彼女のやってることは逆恨みというよりは八つ当たりっぽいんですが、それをどう彼女に言ってきてくださるのかな、と楽しみに思っていました。それから、できれば一方通行の受け答えで終わらせたくないと思いましたので、リリィが何か反論をしたそうなことを言ってきた方には個別にメールでリリィが反論し、それに対してまたコメントを頂く、ということをしていました。メールが間に合わなかった方は一方的に言い負かされたみたいな感じになっちゃいましたけど(苦笑)
で、オチとしては「これはラヴィの精神世界の話なので、ラヴィでなければ黒百合の魔女にダメージは与えられない。冒険者達に命題を受け止めてもらいつつ、ラヴィを勝たせるようサポートをしてもらう」というのは決定項でした。…何かまた美味しいところをNPCにやらせてるんですよねー(苦笑)PCが活躍する話を書けというに。
で、やっぱりお一人で美味しいところをさらっていったジェノさん(笑)が、いい感じにお話をしめてくれたかなあ、という感じです。このままラヴィとのアレコレが続いてくれたら、と思ったんですが、残念です。

個人的に注目ポイントは、多分このあたりから、リリミケの構図ができたんですよねー(笑)「私に負けたのがそんなに悔しいんですか?」が、個人的にミケさんがリリィを意識し始めたセリフだと思ってます、実際はどうだか知りませんが(笑)どんな惚れ台詞だよ(笑)