辞書にもマジラリ2のあとがきにも書いてますが、マジラリ2でオルーカさんがヘキを選択し、「本当はカイに誘われてたんだけど、カイが急に家の用事で辞退しなくてはならなくなった」というシーンを書いた時から、次はカイのお見合い話を書こう、と思っておりました。で、しばらくギャグ書いてなかったからギャグにしようとも思ってました。

ギャグにするからには、カイのお相手として据えるのは最も「カイの相手」というイメージからほど遠い人物像にしようと思いました。そして、その人物がカイを落とすために贈り物をする、というところから発想を持ってきたのが「竹取物語」です。
好きな子を落とすために贈り物をしたいんだけど、好きな子が持ってこいと言ったものが何だかわからなくて困っている、手伝ってください、という依頼で、その通りめちゃくちゃなんだかわからんものなんですが、実は全部聞き違いでしたー、となったらギャグで成立するかなと思ったんですよね。

ということで、「カイのお相手として最も程遠い人物像」として、気弱で猫背でモタモタした喋り方をする男の子を作りました。でも最終的にカイとくっついてもらわなければならないので、最もカイの相手としてふさわしい属性である「でも実はめっちゃ強い」をつけました。
名前は、竹取物語の5人の公達の中からつけようというのも決めてました。石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂。全然読めないのでひらがなで書くと、いしづくりのみこ、くらもちのみこ、あべのみうし、おおとものみゆき、いそのかみのまろ。この中で西洋風の名前にアレンジしやすかった石上麻呂からマーロウ、石→スタインで名前を付けました。どうでもいいけどこの人実在の人物なんですってね。へーへーへー。
で、竹取物語をモチーフにしたことを明示するためにタイトルを「ナヨタケ」にしました。ナヨタケという言葉は作中に1回も出てきません(笑)

という滑り出しで始めたシナリオでしたが、予想以上に濃いメンバーが集まってくださり、楽しいプレイングになったのではないかと思います(笑)
ギャグの時は私はたいていお題だけを提示して「後は好きなように暴れてください」と明示するんですが、「桜色の白磁器」「高次元プロンプター」「蛇腹のアクセサリー」というお題に関しては皆さん、大変すばらしい暴れっぷりで私はほとんど何もやってませんでしたね(笑)真昼の「高次元プロンプター」については後々も引っ張り出され、まさかのラスセレまで引っ張ってこられて大変うれしかったです(笑)あとはコスプレ大会とか…高次元プロンプターでなんでコスプレ大会になるのか、ネッシーさんの発想には本当に脱帽ですね(笑)男体化したンリルカさん(男体化とは)のいつもの二割増しのセクハラ発言も大変面白かったです(笑)

ただ、姫がカイだと分かって、カイと上手く行くためのアタックの方法、というラストのお題だけは、皆さんかなり苦戦されたようで、ミケさんとンリルカさんのフラッシュモブの案が出て来なかったら大変な尻すぼみになったのではないかなと思いました。これが丸投げ方式の最大の欠点ですよね。皆さんの好きなようにやってください、は、「皆さんのアイデア」が出てこなかったらそもそも成立しないんですよ。
全盛期と違って参加待ちがいるような状況でもない中で、これはなかなか博打だったのかなあ、というのは今振り返って思います。

という課題も残りましたが、今読み返しても面白いものが出来たのではないかなと思います。ご参加ありがとうございました。