確か、日記とか字書きさんへのバトンとかそんな感じのもので、書いたことないジャンル?みたいな質問があって、それに「ホラー」と答えた気がしてるんですよ。で、やったことないからホラーに挑戦してみようかなと。そんな感じで作ったシナリオだったように記憶しています。

私の中のホラー代表はカプコンの往年の名作ゲーム「スウィートホーム」。スウィートホームはもともと映画なんですが、小学校の時にちょっと見てトラウマになったのでゲームの方ですw
スウィートホームは、幽霊が出るという屋敷にTV取材に行ってその屋敷に住む霊に閉じ込められ、脱出を図るというゲーム。うーんそのまんまです。まあゲームなのでねwこの話をベースに話を作っていきました。

トラアゲ世界でまさかテレビというわけにもいかず、普通に雑誌にしました。ちょうどちょっと前にヨネさんが「ニュースの星」というシナリオをやっていて、新聞社、雑誌社という存在は公式になっていたので、まあドルトムントほど大手ではないけどそれなりに読者がいるホラー雑誌で、幽霊が出る館の取材に行くという話にしようと。よくよく見たら会社の名前出してないですね。ドルトムントは出してるのにwすみませんw
PCに関わらせるには冒険者への依頼という形をとらざるを得ず、そうなると「出るか出ないかわからないお化けに備えて冒険者を雇う」という話はちょっと荒唐無稽な気がして、じゃあもう実際に幽霊にひどい目に遭った人がいるので冒険者について行ってもらうことにしました、の方がよかろうという導入にしました。シュウ先輩ごめんね。

スウィートホームの踏襲なので、なんというか探索がメインです。屋敷の地図とか久しぶりに作ったわ…ゴールドバーグ邸ほどひどい作りではありませんが、作りはこんな感じでいいのかしらと若干の不安。中庭がキーになるので□のような形の家が良いだろうなと。1階から順に探索していくとメインは一番最後、つまり最上階が良いだろうなという風に作っていきました。まあ普通私室は上の方にあるものだしな。

で、話の方ですが、スウィートホーム同様、順当に屋敷の人間の誰かが霊本体ということでいいだろうなとは思いましたが、じゃあ誰にしようと。
男性の霊と女性の霊でどっちが怖いかというと、圧倒的に女性だと思うんですよねwそして、大人の霊と子供の霊だと、個人的には子供の霊が怖いと思うんですよ。無邪気な怖さというか、話が通じたとしても通じない怖さというか。
で、子供の無邪気な怖さの代表格が、私の中では女神転生のアリスなんですね。一回くらい「死んでくれる?」って言わせればよかったwまあ彼女にとっては「死ぬ=お友達」なので、だいたい同じこと言ってるんですけどw
ということで、ラスボスとなる霊本体は、名前もそのまんまアリスという幼女にしようと思いました。

さらに真のラスボスです。ホラーにした段階で、新しいエスタルティ一族を出すこと、そしてそれを死霊術師にすることを決めていました。ただし、これも直接手を出す形にはしたくない。あくまでも最後の顔見せ、原因をたどっていったらこの人でしたーみたいにしたいと。で、次のシナリオはその子の登場回にしようというところまで決めてました。
前回出したのはロキなので、じゃあ女の子にしようと。さらに今までにないキャラ付けがいい。ホント似てないなこの一族w正統派かっこいいティーヴァ、インテリヤクザのツヴァイ、クールドSのロキ、陽キャヲタのカーリィ、お色気お姉さんのチャカ。この中に無い属性で女の子、と考えて、無表情かつ無茶苦茶変な子にしよう、と思いました。モデルはペルソナ3のエリザベスです。イラストも1枚だけ描いてるんですが、紫がファミリーカラーのエスタルティなのに彼女だけちょっと青っぽいのはモデルに引っ張られてますw
名前をどうしよう、となって、カーリィ、ロキまでは神話から来てるのでこれも神話にしようと。カーリィがヒンドゥーでロキが北欧なので、思い切って中南米まで飛びました。引っ張ってきたのがマヤ神話の自殺の女神のイシュタム。自殺をした人間を宇宙樹に導くという、どっちかというといい方の神様なんですが、自殺の神という響きの不穏さからこちらにしました。

という滑り出しで始まったシナリオですが、5回もやったんだな…(しみじみ)もっと短いと思ってました…
探索系なので、隅々まで調べて事実関係を明らかにしていくとそれだけ回数がかかるのはわかりますが、なんというか、シナリオを読んでてこのGMが何をしたいのかわからない感が始終漂ってました…すみません。
特にぐだぐだだったのは最終回ですね…アリスの遺体がどこにあるのかの話は、4話の最後に持ってくるべきでした。もうゾンビが出てきて襲いかかってきてるのにアリスの死体がどこにあるのかをああでもないこうでもないと語り合っていることの不自然さよ…全体的にテンポが悪かったです。アリスの死の原因をもうちょっとテンポよく明らかにして、5話構成なら1話で導入、2・3話で探索して内容をすべて出し、4話で推理して死体の場所まで当ててもらって、その場所に行ったらゾンビがうわーバトルじゃーで5話で戦って終わり、という風にするべきでしたね。どうせ行き当たりばったりで話作ってたんだよ…そういう時の私の特有のにおいがする…すみません…。

参加者が4人なのもそうなんですが、もうこのころには、言い方は悪いけどシナリオやるのが惰性になってきてたんじゃないかと感じました。やったことないからホラーにしよう。ホラーだから死霊術師にしよう。死霊術師のエスタルティを作ろう。甘罠の時にも言いましたが、私はこういう「形から作っていく」タイプの自書きではないんですよねそもそも。こういう話を作ろう、として話を作ると大体失敗する。甘罠ほどではないですが、ああいう空気をこのシナリオからも感じました。
書きたいキャラクターがあり、書きたいテーマがあり、挑戦したい内容があるからこそ私のシナリオは楽しんでもらえていた。「シナリオをやりたい」ではなく、「シナリオをやらなければならない」という義務感から作るようになっていた時に、もう私の中でトラアゲは終わっていたのかもしれないですね。そこから5シナリオ粘ったのは私の意地というか、あがきだったのかもしれません。

という葛藤はありましたが、当初の目的はすべて達成できたし、イシュの登場シーンは満足いくものだったので、そう悪くはない結末でした。ここから次の「光る蝶の奇跡」に繋がります。