トラアゲ初シナリオです。
何年か前のコナンのカレンダーにキッドの絵柄があって、そのサブタイトルに「The magician under the moonlight」と書いてあったんですよ…(笑)

昔書いていた話のリライト、という路線は変わらず。これはH&Hの元になったマンガで、こういうのを書きたいなあと思っていたものです。怪盗を捕まえることになったが、捕まえてみた怪盗がこの屋敷の人こそ悪だと言う。じゃあ、ということで一緒に捜査を進めたが、結局その怪盗こそが全ての事件の元凶であった、という流れで。結局形にならずに終わったので、再チャレンジ、ということで(笑)
ですから、話を作るにあたって、その「一度正義だと思ったけど実は悪だった怪盗さん」を作らなくてはいけなかったわけですよ。で、その怪盗さんが全てを操るために、全てをフォローする形でいろんなところに部下を潜り込ませなければならなかった。それが、このシナリオであたしが用意したものです。

親玉となる怪盗さんは、決まっていました。皆さんご存知の、チャカですね。闇獣のラストに登場させましたし、最初からそのつもりでした。これも話すと長くなるんですが(笑)
まあ要するに、「あたしのシナリオといえばこの敵」という存在を一つ、作りたかったんですよ。「闇獣」をやっていたPBeMサイトの他のGMさんもやってて、単純に羨ましかったのと(笑)
それと、そのサイトであたし、ロッテをPCとして登録していたんですね。で、ロッテが参加していたシナリオで、ロッテ個人のNPCとしてキルを登場させていただいたことがあるんです。で、まあ、ほら、このNPCとあたしのシナリオのPCとNPCにはこんな繋がりがあるんだよーということを、直接的でなく匂わせたかったんですよね(笑)読み手は誰もが知ってるけどPCは知らないもどかしさというか、アメリアとナーガが姉妹ですよ的なあんな感じ(笑)
で、まあ、あれだ。そのサイトが閉鎖してしまいまして。あたしのその夢もはかなく消え(笑)でもせっかく作ったので、ロッテの話は自分のサイトで続け、その計画もそのまま続行することにしました。

で、話は戻って。「潜り込ませる部下」をどうしようかな、としたときに、やっぱりここはお約束で四天王とかするべきでしょうと(笑)で、やっぱり昔書いて没になった「聖竜白書」のキャラクターを引っ張ってきたわけです。キャラ的には気に入ってたんで。
そのまんま使うわけにも行かないので、トラアゲ用にリライト。キャットはもともとまんまチャカのような性格だったので、これは大幅に変えて名前の通りネコに、そして「色んなキャラを演じる事が出来るけど本人のキャラは薄い」感じに。リリィは元はとても優しくおしとやかだったんですが、何故かあんなキャラに(笑)何度も言いますがリリィの性格を作ったのは相川さんです(笑)メイは性格のきつい俺女だったんですが、そのきつい性格をぎゅーっと押し込めている女の子に。…今読み返して気付きましたが、この時までメイはナノクニ出身っていう設定だったんだなあ(笑)セレは元はエマという名前でしたが、同じ世界観でその名前のキャラをもう作ってしまっているので、ドイツ語で「鈴」という意味の「Schelle」から取りました。もともと淡白で淡々としたキャラクターでしたが、ここではさらにそれを特化させて全く意思のない人形というキャラクターにしました。
で、ある程度自分の意志で自由に動けるリリィとメイを、そのまま日本語訳したユリちゃんとサツキちゃんとしてメイドにしてもぐりこませ、セレには核心部分の番人を、キャットにはいろんな人に化けて情報のかく乱や伝達を担当してもらう、ということで置いていきました。この辺かなり適当です(笑)

前10話構成で、6話までを怪盗さんの調査に、残りの4話を麻薬調査&殺人事件&解決編、という構成にしようとは決めていました。この頃まで、なんと半月アクション、半月リアクションというペースで書いていたんですよ(笑)この途中からひと月単位になったはず。なのにあまり量は変わらない不思議(笑)
PCも前回から奮発して11人です。うち2名が脱落、7話から新規に3名取って12人の大所帯となりました(笑)ですので、この辺から「アクションに書いていない行動をさせる」ということが難しくなってきています。話し合いの相槌くらいしか打てない(笑)

脱落した2名は、くしくも両方ともタラシキャラだったわけですが(笑)クライツさんは過去をばらして退場してもらうのは割と簡単だったんですが、瑪瑙くんがねー(笑)闇獣のころから伏線引っ張ってきたので、それが気になっている読者さんもいるだろうし、と思ったんですよ。これはもう彼の左腕にとりついて彼と意思の疎通をしたり力を使わせたりしている魔族(あら、どこかで見たような設定(笑))をチャカに倒してもらって、腕はなくしましたけどすっきりしました、というオチにするしかないでしょう、ということで。でも最後までチャカを魔族だとばらすわけには行かなかったので、確か4話か5話で脱落したんですが、そのためだけに最後まで残しました。それ以外の目的での出番はなかったはずです(笑)あーすっきりした(笑)

そして、9話の推理は「知力の最も高いキャラクターにさせる」ということ、10話の戦闘は「散って戦力を分断、それぞれのエレメンツの得意分野以外の攻撃をすれば相打ち、でなければ倒される」ということは決めていました。
ですから、9話でミケさんがアクションとして送ってくださった推理は「サツキとメイが犯人である」というところまでです。
10話では戦闘アクションを相談する掲示板を用意したのですが、結局あまり役には立たず、皆さんスタンドプレーに走り気味でした。それはとりもなおさず、「まあどんなアクション送ったって最後には勝てるんでしょ。だったらかっこよく勝てる演出をしたほうがいいじゃん」という先入観がもたらしたものではないかと思っています。
気持ちはわかるんですが(笑)ま、現実もそんなに上手く行くものでもないですよね、という(笑)

基本、PBeMってPCを活躍させてPLさんに楽しんでもらうためのものだと思っていますし、こういう後味の悪いラストはどうなのかなあ、と思うところもありました。そしてやはりこのシナリオも、クライマックスと結末にGMの干渉が強すぎたと考えています。推理はあたしが用意したものでしたし、戦闘も結末は「相打ちor倒される」という、PCにとってはいいとこなしというのが決まっていたわけですし。ゲームライクに言うなら「バランスが悪すぎる」。決して勝つことの出来ないイベント戦闘をラストに持ってこられたみたいなもんで、アクションは「負けるまでにいかに足掻いたか」「以下に一矢報いたか」に反映されるっていう(笑)そりゃねーよ、と思いますわな(笑)
しかし、これで「あたしのシナリオではやりようによってはバッドエンディングありだよ」ということを理解してくださり、皆さんのアクションが慎重になった…ような気がします(笑)
さらに、文字通りこれを「イベント戦闘」ととらえ、「負ける可能性があると判った上でそれでも意志を貫くことの強さ」を押し出してチャレンジし続けてくださっているPLさんがいてくださった事が、あたしをこのシナリオやって良かったなあと思わせてくれました。
ごめんね、ひどいGMで(笑)これからもよろしくお願いします(笑)