黒白で2つに分けた話のもう1つです(笑)
話すとすごい長くなるんですが(笑)むかーし、高校生のころ(笑)友達と3人で、アルファからオメガまで24人のキャラクターが活躍するSFものを作ろう!という話が盛り上がったんですよ(笑)
そもそも何でそういう発想が出てきたかというのをじっくり思い返してみると、ご存知の方がいらっしゃるか判りませんが、秋津透さんというラノベ作家さんが書いた「星間特捜エンジェルバーズ」というシリーズがあったんですね。で、それに出てくる「エンジェルバーズチーム」が、イプシロン、アルファ、オメガという名前の3人の女の子だったんです。
じゃあ、ギリシャ文字が3つだけじゃなくて全部出てくるものを作ったら面白いんじゃ?!と思ったのが、そもそもの始まりだったと思います(笑)アルファからオメガまで24人、特捜警察のプロジェクトによって人工細胞から作られた人間で、額にはその証としてギリシャ文字が刻まれている。普段は特捜警察が作り出した戸籍の名前で普通の人間として生活しているが、いざ事件が起きて命令が下されれば、特捜警察のメンバーとしてそれぞれに与えられた力でもって事件を解決しに向かう…という話だったと思います(笑)その名も「星間特警ヴァルナスターズ」(笑)いやー、過去の蓋が開いた、恥ずかしい(笑)
アルファからオメガまでの名前というのはあくまでも特捜警察としての彼らの名前で、普段は別の戸籍名で生活している訳ですが、エータとシータがミカゲとトモミだったのはよく覚えています(笑)お、覚えてる人いる?!(笑)
で、それは結局設定を作っただけで作品を一度も作ることなく(この辺はありがちですね(笑))終わり、もったいないなーと思ったあたしは、当時自分で作っていた話(H&Hの前身のお話ですね)の中に、この24人の設定をリライトして使おう、と考えたのです。そうして出来たのがマヒンダという国。ヴァルナスターズで一番気に入っていたエータとシータの双子の姉妹を女王に据え、後の22人のことまで全部考えていたわけではありませんが(笑)で、その時に、黒白の話と混ざった例の話を描いたわけです。マンガでした。ああ思い出すだに恥ずかしい(笑)
で、この当時は別にこの2人に能力の移動だのどうだのという設定があったわけではなく、監禁されてしまった2人の女王の片方(シータ)が、抜け出すためにもう片方に魔力をすべて渡し、子供の姿になって街に脱出、主人公たちに助けを求めた、という流れで、再会した双子は魔力を元に戻し、元の姿で犯人に裁きを下す、という感じになりました。
恥ずかしい話ここで終わり(笑)

で、トラアゲ世界に再リライトするにあたってつけた設定が、この、魔力と意志力を極端に偏って生を受けてしまった、という設定でした。力を分け与えて子供になったり大人になったり、という設定自体は、気に入っていたので使いたかったんです(笑)
辞書にも書きましたが、この設定そのものが、永久保貴一さんの「変幻退魔夜行カルラ舞う!」という作品のパク……オマージュです(笑)カルラの主人公は、退魔の家系に生まれた翔子ちゃんと舞子ちゃんという双子の姉妹。感応力に優れ、魔を見たり術を操ったりする能力に長ける翔子ちゃんは、しかしその魔を祓うほどのパワーを持ちません。逆に舞子ちゃんは爆発的なパワーを持ちますが、翔子ちゃんの助けがなければ魔を見ることすら出来ない。しかし、強大な敵と対峙した時、彼女たちは精神を入れ替える「変幻」を使い、翔子ちゃんの魂が舞子ちゃんの体に入ることで、2人分の感応力とパワーを備えた姿になり、どんな敵も討ち滅ぼしてしまうのです。改めて言いますが、すごい面白いのでホラーが平気な人はぜひ読んでみてくださいv雑誌を変え続けてまだまだ連載されています(笑)
で、カルラを読みながらいつも思っていたのは、舞ちゃんは不憫だなあ…ということなのです(笑)変幻して活躍してるのはいつも翔ちゃんで(姿は舞ちゃんですが(笑))、パワーも感応力も持たない体になった舞ちゃんはいつも安全なところで見てるだけ…というのが。もちろん、変幻しない状態で戦っている時は舞ちゃんにも活躍するシーンはあるわけですけれども。
あたし、ある種病的に「平等」にこだわる体質で(笑)エータとシータには、そういう不平等さがないといいなあ、と思ったのです。ですから、魔力が必要なときは魔力を、意志力が必要なときには意志力をもう片方に譲り渡し、それぞれの分野を分担して公務を行う女王、という風にしました。

この設定は「ベビベ」でちょろっと出したときにはすでに決まっていて、ミニプリで決めたのは他の22人の詳しい位置づけでした。1回目のリライトの時には確かそんなに特に設定していなかった…はず…(笑)あ、ベビベにもアルファは出てきてましたね。秘書だということは決めていたのかな。その辺の記憶はすごく曖昧ですが(笑)
24人全員の割り振り。意味もないところを設定する、設定魔の本領発揮です(笑)
元の…大元のSFの方の設定資料は、もう恐ろしいので覗き見られませんが(笑)確か盛り上がったときに予告本として友達3人で設定資料本を出した記憶が…つ、積荷を燃やしてー!(笑)ゼータはここでもエータとシータのお兄さん(同じ細胞から分化して作り出した)で、イオタはシータの彼氏(笑)でした。それはそのまま持ってきて。
割とそのまま持ってきたのは、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン、ミュー、カッパ、クシー、オミクロン、タウ、オメガ…くらいかなあ。出てきたところでは。イプシロンはSFのほうで何やってたか忘れましたが、設定資料も無駄に横顔だったことだけは覚えてます(笑)デザインはあたしではなく、もう一人のデザイン担当がやってたんですが、もうあのまんまで(笑)無駄にバラとか散ってて、「美こそすべて」とか書いてあった(笑)そのまま使わせていただきました(笑)ミューの能力が呪歌で、公にはアイドルをやってるっていうところも元からです。「あなたの心にィ し・の・びこ・むv」って書いてありました(笑)シャランラ。カッパは青いバンダナをいつも巻いていて、戸籍名が「ホーク」だったことは覚えてます(笑)ロマサガをやった人だけ笑ってください(笑)
ニューはもとからウサギ耳っこでしたが、こんなロップイヤーのお姉さんではなくてちびうさみたいな感じでした。今の人に通じるかしらちびうさ。ちびうさって耳なかったんだっけ?じゃあグリグリ。ますますわからんか。プサイは、赤褐色肌で髪の毛の逆立ったコックはそのまんまでしたが、ラージアイランド訛りを付け足しました(笑)

元ネタを喋ってるだけで終わってしまいそうなくらい思いつく限りだらだらと語っておりますが(笑)
このシナリオでの挑戦は、「謎解きです」と銘打ったものであること、それと「2つの入り口からの参加」でした。

謎解きの方は、まあ要するに「月魔」のようにあたしが用意した結論を知力が一番高いキャラに喋らせる、というものではなく、PC自身に謎を解いていただく、ということがやりたかったと。
この「謎」として用意したのが、「女王の行方不明事件」と「女王の秘密」の2種類で、これを2つとも明らかにしないことには事件の全容はわからない、という風にいたしました。犯人がイオタだということに関しては、結果を見るに多くの方々が読み解いて下さったのですが、その動機となる「女王の秘密」については、多くの方が「シータはエータのオプション。魔力を供給し続けるだけの存在」と考えられたようでした。それに対しては、「じゃあ、わざわざ2人で女王をやらなくてもいいんじゃ?エータ一人を女王に立てて、シータはずっとそばにくっついているだけで事は足りるはず。ではなぜそうしないのか?」という問いを逆に返させていただいています。
もっとも、真相を看破したクルムさんも、あたしの病的な平等主義をよくご存知で、あたしならそんな片方に偏ったような設定は作らないだろうと思った、というお言葉を頂いておりますので(笑)
謎の解明に関しては、今見ると、ちょっと全体的に締め付けが厳しすぎたかな、情報をもっとわかりやすく提示しても良かったかもしれない、と思いました。正直、「PLに謎を解かせたくない」とどこかで思ってたんじゃないのかな。文の書き手としては、読み手の予想もつかないような展開で度肝を抜くことが最大の快感ですからね。ちょっとここは、謎解きと銘打つならばもう少し考えたほうがいいな、と思います。

もう1つが「2つの入り口からの参加」ですが。
全く違う二つの立場から同じ事件を捉え、違う立場ゆえに一時は対立してしまうこともあるけれど、最後には協力し合って事件を解決する、ということがやりたかったんですね(笑)PCの対立、というのは、GMにとってはかなり難題で、ゆえにチャレンジしてみたい題材なのですよ(笑)
今回の場合、女王の行方を捜索する冒険者と、女王らしき少女を保護している冒険者。王宮の冒険者が少女を連れて帰ろうとすると、少女は激しくそれを拒否する。少女を保護する冒険者は、王宮の冒険者が彼女に危害を加えるものだと誤解して対立してしまう、という構図を作り上げました。ここまでは、GMの意図ですね。エータを肩車して大声であたりに触れて回る、というところはケイトさんのアクションであったと記憶してます。ヴィアロさんが「女王を連れて帰る」と発言することも、確かアクションだったと思うんですよ(笑)
で、それを組み合わせ、2話の最後でああいう引きにすることで双方の冒険者を対立させ、そこからどう和解→協力に持っていくかということをアクションで頂くことになりました。
ただ、この対立の構図。PLの方に仲直りする気がないと、対立したまま進み、シナリオが最悪の結末を迎えてしまう可能性もあるのです。
幸い、PLさんの方は、対立している相手がNPCではなく、同じPCだということが判っています。だから、協力した方が後々いいだろう、というゲーム的打算が働きます。あとはPCの心理をどう仲直りに持ってくるか、という、PLとしての腕の見せ所というわけです。前にシナリオで一緒になったことがあるPCがいれば、仲直りはしやすいですね。また、エータが倒れた、という事実も、保護側の冒険者が歩み寄る要素になっていると思います。
しかし、PLさんの方に仲直りする気がないと、これは一気に大変なことになってきます。PLさんが自分(たち)だけで事件を解決できると判断した、あるいは、PCの気持ちを汲みすぎたために他PCと協力体制を取らないと決めると、事態はややこしいことになってきます。ミニプリの例で行けば、クルムさんとケイトさんがあくまで王宮側の冒険者を強固に撥ね付ける姿勢を取れば、最悪エータは衰弱死、シナリオはそこで終わってしまうかもしれないんですよ。
もっとも、これは極端な例です(笑)実際プレイしていて、そんな風になることはめったにないと思います。でもそういう可能性がある以上、PLによるとしか言えないんですよね。実際、そのようにこじれてしまったシナリオがあるので。
ここで、あたしがやったようにGMとしての立場で「上手く仲直りしてくださいね」と勧告したり、PCの心情が仲直りの方向に向きやすいように舞台設定をする(今回の、エータが倒れた、という状況のように)、というように、「仲直りに対してGMとして介入する、手を加える」ということをするかどうか。これもまた、議論の分かれるところだと思います。
PBeMは基本、PCが主体となって状況を動かしていくのが理想です。GMの介入が強すぎると、それはGMの用意したお話にPCが乗っているだけのものになってしまいます。それは、ゲームとしてあまりよろしいものではありません。また、GMが示唆したものにそのまま乗っかるのも、PLとしてはあまり面白くない方もいらっしゃるでしょう。
ただ、PCのあまりにも度を越した行動によって、PC、PLさまご自身が望まない結果になるというのも、あまりよろしいものではないのではないでしょうか。
PLさまの判断に任せる、ということは、PLさまが決断して起こした行動によって引き起こる事態が、時として悪いものになったとしても、それを甘んじて受けなければならない、ということです。自分の行動には責任が付きまとう、それはお話の中でも現実でも同じことです。
でもさー、せめてお話の中でくらいは、失敗せずに、かっこよくありたいじゃないですか(笑)周りを省みずに好き勝手にやってその結果引き起こったことならば、それはそのまま描写するべきだと思いますけども。でも、一生懸命やってその方向がちょっと間違っちゃってただけ、ということもあるわけですよ。
だから、致命的な失敗を引き起こすアクションがもしPCからあがってきたとしたら、それはこのまま行くとこうなりますがよろしいですか、と、GMの方から注意勧告があってもいいのかな、という風には、あたしは現在は思っています。その、「致命的な失敗」と「注意勧告」のさじ加減が、難しいところではあるのですけどね(笑)

もっとも、この考え方はあくまで「あたしの」考え方であるので、他のGMさんもそうするべきだとかそういうことではないです。
GMとしての干渉を全くしないGMさんには、そのやり方にしかない利点と、そして欠点があるわけです。あたしのやり方には、あたしのやり方の利点と欠点がある。それは、自分のやりたいゲームがどういうタイプのもので、それがこのGMさんのやり方だからこのシナリオを選ぶ、というように、PLさんが選んでくれていいのかな、と思います。
試しにやってみたシナリオのGMが合わなかった……のは、そらもうしょうがないですな(笑)諦めて最後までプレイしましょう(笑)

何かえらく長い語りになってしまいました(笑)そんなわけでこの「ミニプリ」、ニースが終わって一段落したところでの、あたしの新たな挑戦作になりました。12人だったPCが終わってみたら7人になっていたというのも(苦笑)類を見ない思い出として深々とあたしの心に残っています(笑)
みんな…辞めるときは理由はでっち上げでも構わないからとりあえず辞めるって言ってね…(笑)