発端は、まだ真昼の月亭が賑わってた頃(まだ賑わってた頃とか言うな(笑))、ちょっとしたイベントで「お盆の期間中は真昼に死者の名前で入ってきていいよ」ということをやったことです。
で、「シナリオに名前が出ている人で現在は死んでる人」っていうのは意外と少ないよね、という話になって。
あたし誰で行ったんだっけかな、ティフ?3人くらいいて、カレンとかでも行った覚えがありますが。
そう、PC側NPCで死者というのは、出てこれないんですよね、基本的に(笑)
意識して出そうと思っても、あたしがシナリオ書く時って意識的に「話に大きく関わってこないキャラの固有名詞は出さない」ようにしているので(読んでる方が混乱するので、父、母とかの関係性を表す名詞か、長身の男、初老の女性とか特徴のみの表記になります)話の中核に関わるようにしないと名前が出てこないんですよね(笑)

それじゃあ、せっかく設定してあるPC側NPCの設定をおおっぴらに出せるシナリオをやればいいじゃない、ということに思い至ったわけです。
PC側NPCを大手を振って出せるのはフリーシナリオかPA。PAはちょっとしんどいんで、フリーシナリオでということになりました。
フリーシナリオはもうHNYという立派なのがあって(この時点で半月の構想はまだありませんでした(笑))、そっちはそっちで続けたかったので、じゃあ単純に別のお祭りにしよう、と。
HNYは正月だから、死者も絡んでいることだしここは盆シナリオで、とここまではトントン決まりました。

で、お盆のお祭りというものを設定しなくてはならない。
お盆というと日本では迎え火・送り火、ナスやきゅうりの乗り物などが定番ですが、いまひとつパッとしない(笑)今の子供たちとか、お盆が何なのか知りませんからね、マジで(笑)教えたりしないんですかね、もう親世代からナンセンスなイベントになっちゃってるんでしょうか。
閑話休題。
で、引っ張り出してきたのがハロウィン。このイベントもだいぶ日本でも定着してきましたが、なんのイベントなのかわからずにただ騒ぐいかにも日本人らしい感じですよね(笑)菓子もらう祭りだと思ってるんだろうな、子供は(笑)
万聖節(11月1日)の前の晩、死者の霊が帰ってきて家の戸を叩くという言い伝えがあり、それと一緒に入り込んでくる精霊や魔女、魔物などから身を守るために、その魔物と同じ格好をし、魔よけの為に戸口で火をたいたりするのだそうです。
東洋ではご先祖様の霊はお迎えして大切にするものなのに、西洋では来んな!とされるのはなんだか面白い対比ですね(笑)
ということで、西洋のこのイベントと、東洋のお迎えの心をミックスさせて、おどろおどろしさを取り除いて綺麗な蝶をモチーフにしたのがこの「洸蝶祭」です。製作協力相川さん。いつもありがとうございます。

HNY同様、このシナリオも「どのように楽しんでもいいですよ」ということを前面に出しつつ、「死んだ人を出せます」「PC設定を出すチャンスですよ」と、設定を出すことを強調して発表しました。加えて、チャットによく来る方やオフで会った方などには事前に「今度こういうシナリオをやる予定」ということは言ってありました。本当は半月のすぐあとに洸蝶をやるつもりだったのですが(だから半月に出てるミニウムが「フルるんのお祭りが云々」と言ってる場面がある)今はもう忘れるような大人の事情で甘罠を先にやることに。
しかし、これを覚えていてくださった猛者たちが満を持してPC設定をフルで出してくださいました(笑)

来るアクションによってリアクションをどうしようか何パターンか考えていたんですが、参加人数が6名と少なかったので久しぶりに月魔形式で1人ずつリアクションを書き下ろすことにしました。
今回大々的に連携の誘いをかけていたのはジルさんのみで、お祭りで賑わう街の中をエレーナさんがさまざまなトラブルを解決しながら走り回ってるので遭遇して欲しい、と掲示板で呼びかけてくださり、ほぼ全ての方がその連携で絡んでくださったので、話の進行はジルさんを中心に決めていきました。
あとは、ファンさんとミケさんが両方ともハーフムーンに来ているんですが、かち合いたくないということで時間調整をしたりとか(笑)ファンさんが訪れたあとにミケさんが来る感じになってます。だからミケさんが来たときにミニウムはいない(笑)
この辺の時間調整を最初にやっておけば、後はお話を組み立てるのはそんなに難しいことではありませんでした。ジルさんがらみの連携は、ジルさん以外の人たちを最初に書いてしまえば、後はジルさんの時にそれをコピペして地の文だけ視点を変えて書き換えればいいんで(笑)むしろジルさんの話を書くのが一番早かった感じです(笑)

HNY同様、送ってきてくださったPLさまのアクション草案に対して今回も盛大にケチをつげふんげふん、ええと、アドバイスをさせていただき(笑)それでも時間が間に合わなかった方にはほぼ事後承諾で色々と時間帯や順番やシチュエーションをいじらせていただいています。一番やったのはファンさんですかね…(笑)ちょっと無理のあるところにはツッコミを入れつつ好意的に軌道修正、という形で色々いじらせていただいています。
ジルさんとコンドルさんは最初、エレーナさんとジルさんが魔物を倒し、エレーナさんが剣に戻ってから、コンドルさんが幸せそうに墓参りの思い出を語る、という展開でアクションを提出してくださっていまして。クライマックスの魔物退治からその展開は正直どうなのか、と申し上げたら「ジルが剣の手がかりを失って落ち込んでる所に幸せそうに語るのは空気読めないにもほどがあるから」という理由が返ってきて、妥協案として「落ち込んでるジルさんを元気付けるために、墓参りの話→片身には魂が宿るのだから諦めないでがんばって取り戻そうと励ます」という流れを提示させていただき、ああいう形になりました。
こういう風に、「この流れにしたらどうか」という提案は、ほぼ全員にさせていただいています。それでPLさまの方でもインスピレーションを刺激されて話がどんどん面白く転がっていく、という展開になるのが、フリーシナリオの一番面白い所ですv

そして、ここでも「PCに色々くっつけすぎるとかえって立ち回りづらくなる」という例がちらほら。
PCの過去や設定にあまりにも制限をくっつけすぎると、そのうち何も出来なくなりますよ、と(笑)
顔を出せない、身体を露に出来ない、特定の種族・性別・国籍を病的に嫌悪する、などなど。スパイス程度にくっつければ、それはPCの個性を示す大事なファクターになりますが、やりすぎは何事もよくない、ということです(笑)
今回も、まああえて名前は申し上げませんが、以前のシナリオで言ってたことと違うじゃん!というPCがちらほら(笑)
以前のシナリオでは、その「制限」の悲劇性を主張したかったのでしょうが、いくら他のPCやNPCが「こうすれば問題なく振舞えるよ」という案を提示していてもかたくなに固辞していたのに、今回ではその「制限」ゆえに設定を表現することが出来なくなるとなるや、NPCに「制限」をどうにか無効にする措置を頼む、というような矛盾、ですね。
あたしももやもやしましたし、以前のシナリオのGMさんももやもやしていたようでした(笑)から、さすがにちょっとだけつっこませていただいています。

やっぱりね、ファンタジーだし、架空の設定だし、まあ作り始めの頃は楽しいから誰でも中二病的な設定を盛り込みたがるものだし、無理のある設定は多かれ少なかれありますよ。でもね、そこは自分も通ってきた道だし、ある程度は好意的に解釈して、無理のある設定もその無理のあるままどうにか、こう扱って欲しいのだろうなあと予想して(自分も通って来た道ですからよくわかる(笑))できるだけそのように扱っておりますわさ。あとで自分で見て布団の中でじたばたしたくなるところまでは責任持てませんが(笑)まあそこまで1セットで「通って来た道」ですからね(笑)
でもね、他の人たちの好意を無駄にしてまで貫いて、でも後になって都合が悪くなったらとたんにその主張を翻すっていうのは、違うでしょうと。しかもそれは「PCにとっての都合の悪さ」ですらない。読んでる方には「自分(PL)がかっこよきゃそれで良い人なんだな」としか映らない。結局自分の望むような「かっこよさ」は演出できないわけです。

やはり自分の設定を出すというのは長短あるものですねえということですね(笑)
でもめげずに皆さんがんばって欲しいです(笑)