ということでイシュ登場回です。登場回と言いつつ彼女が出た最後の話です。いや半月に出たか。じゃあいいかw

わたうちで必要に駆られて作成した彼女ですが、動かすのは割と好きでしたね。わたうちのラストシーンで研究っぽいことを言っていたので、ロキと同じ学者肌。ただロキの30倍くらい奇怪な行動が多い。相当な腕を持つ死霊術師で学者肌なので、相当量のアンデッドを作成して村を一つ作ったらおもしろそうだな、というところから話を作っていきました。

で、導入部をどうしようとなって、そのゾンビ村に巻き込まれてしまっている冒険者を探してください、というところから始めようかなと。
ゾンビ村に巻き込まれている、ということはイコールゾンビになっている。だから帰れない。でも帰りを待ってる人がいる。帰らない人を待つのは辛いので、帰らないなら帰らないという事実が知りたい、とそういう感じでいいかなと思いました。

名前に関しては、イシュがマヤ神話の自殺の神なので、マヤ・アステカあたりで探そうと思いました。スタンダードなところで主神とその妻にあたる女神がいいかなと。ただあのあたりの神様の名前ってあまり響きとして普通の人の名前に使えるものではなくて悩みましたねw結局創造神と、同一視される神の妻で付けました。神話ってややこしいな。イシュ・チェルってかぶってるしなあwイシュという響きが向こうの言葉で女神的な特別な響きなんですかね。

さて、光蝶のリアクションページには「コメディ」のタグをつけていますが、本筋はシリアスなんだと思いますw導入からして、悲しい結末を予感させる感じがしますし。しかしそこは敵キャラがイシュなので、ゾンビも愉快な奴らにならざるを得なかったwし、イシュとの会話も、そしてイシュにたどり着くまでのあれこれも愉快な感じにならざるを得ないw罠があるから好きなようにネタ出ししてください、という形は、賢者、H&S、恋メタ、M:Iあたりでやりましたが、毎回楽しいんだよなあw
こういうコメディ路線で攻めておいて、不意にふっとシリアスになるからこそ引き立つ演出もあると思っていて、まあそれが上手く行っているかどうかはともかく、この話は書いてて楽しかったですw

ママさがのところで散々語っていましたが、「大切な人が死ぬか生きるかという岐路に立った時に、生かしたいと思う情と、死なせるべきと思う理性での葛藤」を描いた時に、私はその時も今回も「死なせるべき」という結論に作為する話を書きました。
今回のルカはもう明らかに死んでいます。死んでいるところをイシュが無理やり動かしている状態です。そして、各話の冒頭で「死んでるって、生きてるってどういう定義?」と散々投げかけている。意志を持って動いていることがすなわち『生きている』ということなら、心臓が動いているかどうかは問題ではないのでは?というイシュの主張をそのまま書いています。こういうところは学者っぽいですね。まず事象の定義づけから始まる。
そうして、アンデッドだって生きてるじゃん、何の障害もない、という意見に流れるひとがいるかしら、と思ったかはちょっと覚えてないですが、結論として全員が「いやゾンビは無しだろ」という結論に至ってくれてw話を作為する側としては要望通りになったと言えると思いますwママさがほど結論の見えにくい話ではないので、あとはどう軟着陸させるかかなあという感じでしたね。軟着陸のさせ方が、軟着陸どころではない強硬派のミケさんから、事実を隠して死んだと伝えるグレンさんまで意見がバラバラで、でも最終的には無関係のアフィアさんからの「依頼人の意向に沿うのが第一」の意見にまとまったのが綺麗だなと思いました。
そして、ラストのシーンも用意していたそのままを綺麗に描けたと思います。チェルの望みも叶い、ルカの心残りも消せた。それがイシュの思う通りの結果を招いたとしても、この話で不幸になる人はいなかったのかなと。イシュは純粋に学者気質で、人を不幸にしてやろうとか思っているわけでは当然無いので、悪意のない、だからこそモヤモヤした感じのいい結末(えー…)になったのではないかなと思っています。この結末は私は割と好きですね。
ミケさんが、ロキの時にはカーリィのところに「あいつなんなん」って訴えに行ったのに、イシュの時はスルーされたのがちょっとクスッとしましたwミケさんが一刻も早くイシュとゾンビも記憶を消し去りたかったのか、あそこまで頭おかしいとそっとしといた方が良いと判断したのかはわかりませんがw

最後に、もう世に出ることはないイシュの設定だけ語っていきますw
9人いるエスタルティの兄弟姉妹のうちの長女。ロキのすぐ下です。ティーヴァ、ツヴァイ、ロキ、イシュ、女、男、女、カーリィ、チャカの順です。
イシュの魔術の媒介は、髪飾りに着けている鈴です。ルカを呼ぶときなど、ゾンビを動かすときは必ず鈴を鳴らす描写があったと思います。ちなみにキルの魔術の媒介は杖、リリィは魔術文字。ロキは金色になっている左目(義眼)です。イシュの髪飾りにはいくつか鈴がついていて、鳴らす鈴によって発動する魔法が違います。歩くたびに音がしますが、常に鳴らすことで自分の周りの環境を過ごしやすくコントロールし、ゾンビを維持するための微弱な魔力を放出しています。
カーリィはヲタなので兄弟たちに変わり者と思われて疎まれていますが、イシュはその上を行く奇行なので疎まれるどころかとりあえず触らんとこうと思われており、また本人もそういったことを気にするたちではないので、魔界にいたり現生界で研究したり好き勝手にしています。ロキとだけ、学者肌ということで気が合うというよりはちょっと共通するところがなくもないレベルで接点があり、お互いに術の触媒を交換したりという程度の交流はあります。
学者肌ということで、研究の邪魔をされるのが何より面倒。だから極力トラブルにならないような、彼女曰く「リスクヘッジ」を講じておりますが、根本的に魔族なので他者に対して配慮をすることはありません。ただ事実として、こういう行為を行った場合にこのような感情を抱き、それがこのような行動につながる、という経験則を積み上げているだけです。
なので、積極的に人間とかかわって引っ掻き回し、叩きのめすチャカや、自分以外の存在はすべて実験動物、どうなろうと知ったことではないというロキに比べたら幾分か交渉のしやすい相手かなあとは思います。まあ、あの語り口なので、そもそも交渉のとっかかりは難しそうですがw

繰り返しますがイシュは結構好きなんですよwまたどこかで使いたいですw