初ギャグシナリオです(笑)そして、初の台本形式。この2点が、このシナリオでチャレンジするポイントとなりました。

台本形式は、トラアゲでもこのシナリオを入れて2本しかありません。まあ、ちょっとこのサイトのカラーじゃないですよね(笑)
今だから言いますが、この、台本形式を始めにやったGMさん。台本みたいな書き方でやりますよ、っていう打診なしに、いきなりあの形式のリアクションを送ってこられたのですね(苦笑)予告は普通に小説風だったんですけど。で、あたしもびっくりしたし、PLさんもびっくりしてしまって。小説で書かれるものだと当然思っていたら台本が来たわけですから、そらびっくりしますわな(笑)
そういうわけで、それ以降はGMさんに「台本形式なのか小説形式なのか事前に告知してね」というルールを追加することになってしまったのです。まあ結局は、それ以降台本形式をやる人はいなかったわけですけどね(苦笑)
しかし、せっかくそういうルールが出来たのならば。ここはいっちょ自分が身をもって「面白い台本形式」というのを提示したいな、と思ったわけです。地の文を書くのが面倒だけど、誰が喋った台詞かわからないのはマズいから、という理由だけの台本形式、ではなく、台本形式だからこそ表現できる面白さ、というものに挑戦してみたかったんですね。
台本形式の利点は、なんといってもテンポの良さです。あたしの文だと特にそういう方多いんじゃないでしょうか、地の文飛ばして台詞だけ追ってく人(笑)地の文て、書く方だけでなく読む方もめんどいのですよね。会話が延々続くシーンなんかでは、短い台詞がポンポンと往復する方が小気味が良いし、読んでいて心地よいんだと思うんですよ。
逆に欠点はというと、台詞のないものを表現しにくいことです。沈黙が続いたとして、台本形式で示せるのはせいぜい「………」の応酬か、ト書きで表現することくらい。でも、ト書きがあまりにくどいと、それは地の文と大して変わらないわけです。あくまで読む側の負担を上げずに、必要最低限の単語でどこまで表現できるのか、これはなかなか厄介なハードルです。あたしのような、とにかく量が多くてくどい文を書く人ならなおさら(笑)文はな、たくさん書ければ良いってもんじゃないんだよ…(笑)
沈黙ではなく、バトルなども表現するのは難しいでしょう。台詞で表現できるのはせいぜい掛け声か呪文。どうしてもト書きに頼らざるをえません。他のキャラに解説をさせるのも限界があります(笑)
そう。台本形式をなぜみんなやらないか、よく理由がわかります。難しいんです(笑)地の文を書かなくて済むから簡単、ではないんです。地の文を書かないからこそ難しい。心理描写も全く出来ない。かといってト書きを増やせば台本形式の意味がない。
「いかに台詞だけで色々なことを理解させるか」「いかに台詞だけでしか表現できない面白さを出すか」これが台本形式を書くにあたっての課題でした。
ギャグシナリオ、という初トライジャンルと同時に持ってきたのは、この台本形式が、ギャグで演出したい『テンポの良さ』と非常に相性が良い、と判断したからです。実際、その目論見は当たりました。ボケとツッコミの掛け合いで面白さを演出するためには、『間』が非常に重要です。地の文は、この『間』を殺ぐことがままあるわけですが、地の文を書かなくていい、というのがここで有利に働くわけですね。

これ以降のシナリオで台本形式をやったことはないんですが(笑)でも今度は、シリアスで台本形式をやってみたいな、と思ってます。もっともっと、台本っぽくして。登場人物の紹介とかも、最初でやってしまう(笑)外見描写もそこで済ませてしまって。ト書きも本当の台本みたいに。本当の台本あんまり見たことないですが(笑)
そういう風にして、異質な空間、演劇っぽさを表現できたら、また面白いかなーと思うのです。いつかやってみたいなー。

それとは別に、台本形式でもう2つ他と違うことをしました。1つは、ええ、言うまでもなく「キャラ別にフォントの色を変えた」ということです(笑)(※アーカイブに移す際に文字色は無効としています)チャットのような感じになりますね。これは、確か色一覧表と共に自分の名前の色を選んで申告してもらうという形だったと思います。ただしこれ、背景の色によっては見やすい色と見難い色が出てきてしまったり、微妙にかぶる色が出てきてしまったりしました。これは、課題の残るやり方だったなあと思います。
もう1つは、地味ですが、台本形式らしいレイアウトにするために、名前の下に改行された後の台詞が来ないように組むことです。
これねー、めんどっちょいんですよ(笑)タグ打ち経験者の方は判っていただけると思いますが(笑)
今ならもうちょっと違うやり方が出来ますが、この時はテーブルタグ+フォント色タグ+名前ごと辞書登録をし、タグ込みで文章を書いていく、という、非常にめんどくさいやり方を取りました(笑)ああめんどくさかった(笑)今なら迷わず外部CSSを使います(笑)

さて、もう1つの初めてが「ギャグシナリオ」だったわけですが(笑)
このシナリオを始めた時点で、トラアゲにはすでに、ねすさん、という、ギャグシナリオの大家がいらっしゃったわけです(笑)
つーかさ、ギャグセンスって、生まれもってのものだなってホントつくづく思うんですよ…(笑)敵わない(笑)
あたしのなけなしのギャグセンスで、彼らに匹敵するものを作るのはもう、無理です(笑)あたしはそこまで自分を知らないわけではない(笑)

ならば、どうするか。非常に簡単です。PLに丸投げしてしまうんです(笑)
手抜き?いやいやいや(笑)アクションで送ったことが、ほぼそのままリアクションに反映されるんですよ?PLとしては願ったり叶ったりじゃないですか(笑)
この辺の賛否は置いといて(笑)しかし、ただ「皆さんにお任せしますので自由にやってください」と言われても、かえって何をやっていいかわからなくなるものです。自由にやるためのある程度の「枠組み」は用意しなければなりません。
そのために今回引っ張り出してきたのが、リーの母親である「ミシェル」でした。ああよかった、やっとNPCの名前が出た(笑)
リーの母親、としての顔でなく、マジックアイテム創作者としての顔を前面に出し、「好きなマジックアイテムを作ってくれる」ということ、そして、「彼女が作った遺跡に仕掛けられたとんでもない罠」(初回の時点では彼女が遺跡を作ったということは伏せられていますが)の2点を、『創作』してアクションとして提出していただきました。
この、自分で作ってね、という試み。まさしくPL次第で大成功と大失敗、両方の可能性をはらんだものなんですよね(笑)GMとしては、なかなか勇気の要る行動なのです。

しかし!このシナリオに集まったPLさんは、ツワモノ揃いと言わざるを得ませんでした(笑)はっはっ、何も心配なんかいらんかったな!(笑)皆さん大変お上手に、ご自分を演出してくださって。あたしが気にしていた会話のテンポも、1話で素早く汲み取ってくださって、2話以降は別にあたしが手を入れるところなんか特にないよ?という状態でした(笑)本当に、執筆というよりは『編集』に近い作業で、一読み手として存分に楽しませていただいた感じですv
あたしが決めたのは本当に『遺跡にもぐる』『罠ルーム3つ用意』『実はミシェルが作った』『ミシェルの欲しがった本はティフの日記だった』という4点のみ。このシナリオは正真正銘、PLさまの手で作ったシナリオだな、と思います。
これがものすごく楽しかったから、ここからHNYへの発想が生まれていった気がします…今思い返すと(笑)

…ホント、ギャグセンスって天性のものだよなー、と…(笑)自ら手がけて改めて感じた作品でした(笑)