HNY2の2ヶ月アクション期間で懲りた反動なのか(笑)
半月アクション・半月リアクションのシナリオをやってみようかな、と考えました。

HNYと同じ、フリー形式のシナリオで。
でも、自分でお話を作るとかそんな大げさなことじゃなく、ただ喫茶店に来て帰っていく、そんな日常の一面を描くだけということができたらいいなと。
もちろん、自分でお話を作りたい方は作っていただいて(笑)
全4回くらいで、部分参加もあり。これも新しい試みですね。全部参加してもいいし、途中から参加しても、途中で参加をやめてもいい。1回と3回だけとかでもいい。とにかく自由に喫茶店に来て、自由に参加していってください、という風にして。
参加人数は無制限、しかし締め切りは厳守。1分でも遅れたら受け付けません、これはHNYと一緒ですね。
人数無制限でたくさん来たらどうするんだ、という心配はありませんでした。アクション期間半月だもんね(笑)案の定、参加人数はトータルで7人。1回の参加人数も最高で5人、という小規模なものになりました。

HNYのときも、「自由にやっていいといわれると、かえって何やっていいかわからない」と書きましたが。
今回は予告に、かなりはっきりと「PC設定を出すチャンスです」と書きました。
この機会を使って、PC設定を出してみてはいかがですか、と。
いきなり大きい話を作るのは無理ですから、喫茶店に来るという日常を描くことで、その中でPC設定を描く練習をしてもらおう、というのが、このシナリオの趣旨でした。
締め切りを短く区切るのも、軽いお話を作ってもらうためです。期限をくっきり切らないと、人ってなかなか動き出せないですよね(笑)
と、いう目的を持って始めたシナリオな訳ですが。

シナリオの方のあとがきにも書きましたが、あたしはPCを動かすことはPCを魅力的に「演出する」ことだと思うんですよ。
トラアゲも長いことやってきて、たぶんのべ200人以上の方が登録されましたが。
送られてきたPC設定には、大体大きく分けて2種類あります。
すなわち、「始めに色々と設定を詰め込んで完成された状態」で登録するか、「始めはあえて大雑把に設定した状態」で登録し、シナリオでPCが取った行動、PCに起こった出来事をPCの「設定」として積み上げていくか、という。

他のPBeMにはあまり登録したことないんですが、トラアゲでは自由な設定を推奨しています。他サイトでは嫌われがちな「二重人格」「記憶喪失」なども一切制限していません。ですから、完成状態で登録してこられる方は結構います。多分半々くらい(笑)

ですが、この「完成状態」の登録、というやつが、意外に厄介なんですよ(笑)

完成しているがゆえに、キャラクターのお話が完結してしまっていて、じゃあその設定、どう使うの?ということになってきてしまうんです(笑)
シナリオは、そのシナリオの中心となるお話があるわけで。そのお話の中で動くためにシナリオに参加しているのに、そのお話とは全然関係ない自分設定ばっかり出してたら、どんだけ空気読めてないんだよっていう話になってきてしまいます(笑)
でも、じゃあシナリオの話とPCを絡めればいいか、となってくると、この「完成状態」が邪魔をしてくるわけです。完結してしまっているので、手を入れられないんですよ。シナリオに絡めるために色々考えようとすると、自分の設定の方を色々変えてしまわなければならない。自由が利かないわけです。
ですから、シナリオのお話の中に入ってしまうと、自分の話が展開できない。設定が過去の出来事だったりして、関係者が亡くなっていたりすると、導入や退場に絡めるのも無理がある。結果、シナリオの中で動くPCは、設定のくっついていない「素の自分」にならざるをえないわけです。全然関係ないところで自分の設定を匂わせるのが精一杯。しかもそれはともすれば誘い受けと呼ばれかねない(笑)せっかくのPCを魅力的に見せるための設定が、全く無駄になってしまうわけです。

そこで、フリーシナリオですよ(笑)
少なくとも、「シナリオの話に合わせなければならない」という縛りはない。ある程度舞台設定に合わせる必要はありますが、自分の話しを思いっきりしても誰にも空気読めないと言われる心配はありません(笑)

あとは、どうやってPCを「魅力的に演出」するか、です。
しかしここでも、この「完成状態」が邪魔をしてくれるわけです(笑)
そのPCのお話は、設定の時点で「完結」してるんですよ。お話終わってるんです。終わったお話を掘り起こして伝えなければならない。これ、意外になかなか大変です(笑)
PCが隠している「秘密」を、突然べらべら喋ればいいという話ではない。そもそも、設定を「秘密」にしているのですから、本人が喋りだすこと自体がおかしいです(笑)
まず、PCの「秘密」を表に出すようなイベントを考えなくてはならない。PCの秘密を知るNPCが現れるとか、ちょっとしたことがきっかけでPCの秘密がバレそうになってしまうとか。秘密にしてなくても、すでにPCにとっては「日常」となっている設定をクローズアップさせるようなイベントなりNPCなりを考えなくてはいけないわけですよ。
そして、そのイベントでひと悶着あって、何とか落ち着いて、めでたしめでたしで終わらなければならない。いや、別にめでたくなくてもいいわけですが(笑)
大仰な設定を考えても、それを「効果的に」使うというのは、とても大変なことなのです。

ま、そんなこと言ってみたって、今更キャラを作り直すわけにもいかないんですけどね!(笑)
シナリオのあとがきでも言ったとおり、今まで10年間トラアゲをやってきて、キャラクターの「秘密」を効果的に、「シナリオの上で」表現した人は、一人もいません(笑)
この偉業を達成する人が、これから出てきてくれるといいなあ、と思うのですよ(笑)

ミルカは自分で書くからいいです(笑)

このシナリオに参加されたPLさまが、さてこの課題を達成できたかどうかというのは。
リアクションをお読みいただいて、それぞれのPLさまがそれぞれに感じていただけたのではないかなと思っています。

他にこのシナリオで挑戦したことといえば、文体です。
あたしの文体はとにかく、重い(笑)ゆとり世代には厳しいです(笑)地の文すっ飛ばしてセリフだけ読んでる人も少なくないのではと思います(笑)
今回、この文体を、できるだけ軽く、すんなりと読めるよう心がけて書きました。
セリフと地の文を改行で分けること。地の文は出来るだけ量を少なく、最低限の情報だけを込めること。装飾的文章を出来るだけ削ること。強調したいセリフには改行を多く入れること。
これで、ずいぶん読みやすくなったのではないかなと思います。
ものすごい勢いでスクロールしますが、別に量はたいしたことないです(笑)
半月しか執筆期間がありませんでしたが、実際かなり余裕でした(笑)
やはりいつもの文体が書きやすいので、これから頻繁に使うことはないと思いますけど。これはこれで、いい経験でした。

それから、それぞれのお話の最後に出てくるキャラ。
とりあえず、スペシャルなのを出しておけばいいかな、と思ったんですよ(笑)ですから、第1回はチャカ。
第2回をどうしようか迷って、ロテリーにしました。誰と迷ったかというと、キルか4エレかで迷った(笑)4エレだとしたら、キャットかリリィかな。ミケさんも活躍中でしたし(笑)
2話の時点では、ハーフムーンが終わったらその次には甘罠の次にやる予定のフリー形式の大きなシナリオをやるつもりだったんですよ。HNYのようにお祭りを描くシナリオなので、ハーフムーンの最終話はそのお祭りへの引きで終了するつもりだったんです。
で、2話のリアを書いてる時にその話になって、お祭りに繋げるためにお祭り的な何かの話を出来るといいよね、とチャットで相川さんと話してたんですね、確か。
そこで、4話でミニウムを出そうかなと考えました。ミニウムはずっと設定としては存在していて、出していない状態だったんですが、相川さんから時の神を絡めたシナリオをやりたいというご相談があって、その時に設定をお渡しして「クロノドラコーン」で描いていただきました。そのミニウムを、満を持して再登場(笑)させたいな、と。
性格としては、カーリィとはとても相性がよかったので、そのまま友達設定をしました。魔界にいたときからのお友達で、ミニウムの正体を知っている数少ない人物、ということで。
これからちょろちょろと出ていく機会があればいいなあと思っています(笑)

このシナリオは負担も少なく(笑)楽しく執筆できました。これも第2弾、第3弾と続けていきたいなあと思っています。