「ミケさん、眠いんです」
「はい?」
「ちょっとだけ、お昼寝させてほしいんですけど」
「どうぞ?」
女王はにこっと笑って。
「横に座ってください」
「はい?」
「肩を貸してくださいv」
無邪気そうに、そう、女王は言った。
「いやです」
「まぁっ!ミケさんひどい。午後の執務がどうなっても知りませんよ?」
「は?ちょっと、どういうことですか?」
「半分眠くてぼーっとしてミスしても知らないと言うことです」
「バカなこと言ってないで、自室で寝なさい!」
「ぶー」
「まったく。わかりました、どうぞ。高いですよ」
「お給料はわたくしの胸三寸ですよ?」
「だから、とらないとせいかつできないんじゃないですか!」
言いながら、横に座ると、女王はうれしそうににこにこしながら肩に頭を預ける。
「じゃあ、お願いしますね」
瞳を閉じるとすぐに重くなる。
「子供ですか。もー」
そっと上着から腕を抜いて、少女の肩に掛ける。そしてそのまま抱き寄せるような形に。
「おやすみなさい、リリィ。これくらいはもらわないと、なんか割に合いません」
ささやいて、ため息。
「よく、頑張りました。偉いですよ」
そう言うと、頭を預けて眠っていたはずの少女が胸元をきゅう、と掴んで微笑んだのが見えて。
「~~っ!狸寝入りしているなら、放り出しますよ!?」
そのまま肩に回した手に力を込めて、抱く。自分の顔が見えないように。

真っ赤な顔を見られないように。

箱根帰りの小田原のカフェで、やっぱりポメラで書いていただきました(笑)
バスの中での眠たい話がベースになっております(笑)
ミケ侍従長の給料は一体どうなっているんだろうという話になって、リリが全部握ってるとかいう説が有力だったんですが(笑)衣食住はお城支給だし、何か買いたいものがあるなら私がお金あげますvみたいな(笑)
なんという女王様(笑)いや、まんまですが(笑)