それはまだ、彼を雇ってすぐの頃。
紅茶を差し出すと、リリィはくすりと笑う。
「ありがとうございます、ミケさんv」
「いいえ、女王陛下の仕事の能率を上げるためですし」
「もー」
「不満そうですが」
「もうちょっと、何かないんですか?」
にこにこと聞けば、困ったように彼は首を傾げる。
「スコーンでもつけましょうか?」
「そうではなくて。わたくしの侍従なんですから、ねv」
その先はにこにことしたまま、言わない。
「わかりません。いらないなら、下げますよ?」
「んもー。やる気がでるように、何か一言くらい言えないんですか?」
仕方なさそうの、にこにこと。
いや、にやにやと笑いながらいう女王に。
「そんなことを言われましても。頑張っているあなたには、これ以上頑張れとは言えませんし。じゃあ、何をしたら?」
「もう、いいです。なんか誉めていただきましたから」
「??」
「ふふ、まぁ、いいですよ。今日のところは。明日はまた何か考えてきてくださいね」
「ええええ。わかりました、じゃあ、誉めるところを探しておきます」
「まるで誉めるところがないような言い方ですね?」
「まだ、就職して間もないので、あなたのことがわからないんです。ちょっとしっかり観察しておきます」
「まぁ、わたくしのことを見つめているだなんて、照れちゃいますv」
「そんなこと、言ってません!」

恋に発展する前の、最初の一幕。

箱根で相川さんにポメラを使って書いてもらいました(笑)
タイトルはお題サイトからなんですが、相川さんは書かれてからこのお題の使い方を間違えたことに気付かれたようで(笑)せっかくなのでいただきましたが(笑)
相川さんならきっと「主と従者の恋のお題」をやってくれるって信じてる…!!(笑)
まあそれはそれとして、相変わらずミケさんは天然女殺しですよねー(笑)惚れてまうやろー!(笑)