「っはー、気持ちよかったぁ♪」
「それは、よろしかったですね」
ベッドの上で余韻に浸りながら笑みを浮かべるロッテに、キルは薄く笑みを浮かべる。
「お、なんだよー、全然満足そうに見えないけど。どしたのん?」
「別に?まだしゃべれる元気があるなら、もう少しシてあげましょうか」
「んふ、いいねぇ、ゼツリンって、感じ?まだまだ朝は遠いし、ヤろっか?」
にや、と笑うがそれは続きの行為を期待してではない。キルがそんな気分ではないのを知っていて、その上での軽口だ。
「叔母様がまた、面倒を押しつけてきただけのことですよ」
「ありゃー、大変だねぇ?」
けらり、とロッテはそれを笑い飛ばす。
「ま、貴女と遊ぶ時間をくれた代償だと思えば、安いものかもしれませんがね」
「おお?素直じゃーん?」
「おや、知りませんでしたか?私はいつも、素直ですよ?」
にぃ、と笑って小さな身体を引き寄せる。先ほどまでの行為で熱を持った身体は、幾分落ち着きかけていたが……指先で乱暴に刺激を与えてゆくと、甘い声と汗でしっとりとしてきた身体とが、絡みついてくる。
「ん、ふぅ……ほんと、欲望にしょーじきだねぇ、キミは」
「貴女ほどじゃないつもりですよ。……こうして動く物が大好きなのでしょう?……じゃれついてきて、離さないじゃないですか?」
「キミこそ、そうやってボクを構いたくて、は……っ、仕方ないんでしょ?」
ちろり、と濡れた舌で差し出された濡れた指を舐め取って笑えば、キルも楽しそうに笑い、もう一度ロッテとの遊びに興じ始めた。

「……」
「?」
胸に顔を埋めたまま唇を動かしたロッテに怪訝そうな視線を向ければ、挑戦的に笑って「なんでもなぁい」と答えられる。
無理矢理顔を上げさせて、瞳を覗き込みながらゆっくりと顎を支えている側の親指で……その唇をなぞってやる。
「で、何ですか?」
「何でもないって、言ってるじゃん?」
くつくつ笑うその顔に苦笑しながら、ロッテを俯せにして、組み敷いた。乱暴に揺らしながらその背に顔を埋めて……ふと、彼女が何をしたのか、分かった気がした。
だから、同じように。
その背に唇をつけて囁く。
分かるものなら、分かってみろと。
「んはっ、キルぅ?」
「何でもありませんよ。もっと私を感じなさい」
「……っふ」
楽しそうな光を宿すオレンジの瞳。
「貴女のやることくらい、分かりますよ?」
「きゃはは、言うねぇ?」
体位を無理矢理変えて唇を重ねて、笑い合ったのが、意味のある最後のコミュニケーション。後は、そのままお互いに行為に没頭していった。

「キミが好きだよ」
「貴女が好きですよ」