リリミケ編

「な、なんで、こんな状態に」
悩みながら旦那様は、家のドアの前で悩み中。

仕事なので、とっとと入ってください。

「ただいま……?」
「きゃ、おかえりなさい、あ・な・たv」
ひしっ。
「ぎゃーーーーーーっ!」
「んもう、可愛い新妻に対して、ぎゃーはないと思いますよ?」
力一杯突き飛ばしたあげく、ドアにめりこまんばかりに身体を押しつける旦那様に、可愛い新妻はにこにこ(じりじり)寄ってきて。
「おかえりなさいvご飯の前に、します?お風呂の中でします?うふふ、さ、リリィが食べたいって、言ってくださいな?」
「…………っざけないでくださいよっ!っていうか、ちゃぶ台どこですか!ひっくり返しますから!」「玄関ですって」
ごもっともです、奥様。
「じゃあ。ん」
「?」
「ただいまの、キスは?あ・な・た?」
「…………いいかげんにしなさーーーーいっ!」

(しばらくお待ちください)

「え、ええと、夕ご飯ができている、んですよね?」
「ええ、台本によりますと」
かなり旦那様ぼろぼろです。流石24時間戦う戦士(間違い)
「……そこはかとない疑問ですが、お料理なんか、できるんですか?女王陛下」
「うふ、包丁なんか持ったこともない、そんなあなたももう安心。「とらあげ3分間クッキング」の出番ですv」
すちゃ、と本を取り出します。
「そう言うわけで、今日は麻婆豆腐にしてみましたv」
「その割に、なんか指先が絆創膏だらけですね」
「……舐めて治してくれます?あなたのために、包丁握ったんだもの、ね?」
「しませんっ」
力一杯顔が赤いようですが。そして、ふと、旦那様は。
「っていうか、僕より魔法できるあなたが治さない訳はない!…………電子レンジでチン☆ですか?」
「それも、考えましたが、オチが付かなくて」
「…………で、結局は?」
「作りました、普通に。私だって、これくらいできますよ」
「そ、そうですか」
「作り方はいたって簡単。ネギを刻んで豆腐を刻んで市販のソースと一緒に混ぜて炒めるだけですv」
「うわぁ、本当に3分クッキング!」
ご家庭で作る麻婆豆腐ですから。
「ご家庭の味が出したいときには、ぱっぱっと何か調味料でも足してください、きゃv」
「多めに塩をかけて、塩分過多で早めに殺すとか」
「やだぁ、ミケさんったらvそれじゃ、いただきましょう」
ランチョンマットの上に、麻婆豆腐とご飯と掻き玉スープ。
「あ、すごい、ちゃんと形になってる。僕はまた、どんなものが出てくるかと」
「……酷い、あなた!リリィの料理の腕前を疑うんですか!?あなたの妻になるために、一生懸命……それはそれは、罠を張って」
「待ちなさい!今、かなり聞き捨てならない一言がっ!」
「酷い、私を弄んだんですねっ!?じゃあ、なんで婚姻届にサインしたんですか!?」
「それは僕の方が聞きたいっ!」

設定にツッコミ入れるのは禁止でお願いします。

「ま、まぁ、とっとと夕飯をいただいて、終わりにしましょう」
「うふ、あなた、お約束が残ってます」
「…………なんですか?」
心底嫌そうです。
「はい、あーんv」
「ぐふっ」
飲んでいた掻き玉スープを吹き出しました。
「げほげほっ!は?それを、やれと!?」
「台本には、ありますよ?」
「(黙読)……誰だ、こんなベタな展開入れたのはっ!」

はい、すみません。

「えへっ、どうぞ、麻婆豆腐です。はい」
「…………」
「はい」
「…………」
「あーん?(^^)」
何か、恐ろしいほどの笑顔の圧力が。
「う。……あーん……」
照れているのかはたまた嫌悪なのか微妙な顔の旦那様の口へスプーンを運んで。
「……美味しい?あなたv」
「…………確信犯か」
無理矢理飲み下したのは、プライドかテレビのためか。
「激しく、火を噴きそうなほど、辛いんですが……?」
「ええええ、そんなぁ。頑張りましたよ?」
「頑張って、何を入れたのかちょっと説明してみてくれますか……?」
「豆板醤とタバスコを入れてみましたvえへ、ちょっと多かったかも。リリィ、失敗v」
「食べられるか、こんなものー!」
「やん、酷いあなた。新妻は砂糖と塩を入れ間違えるのがお約束なんですよ?このくらいのうっかりを、私を愛しているなら、完食してください。さぁさぁ。なんでしたら、全部「あーんv」ってしてあげますよ?」
「…………食べ物で遊ぶんじゃありませんっ!もったいない!」
「じゃあ、全部食べてください。私は自分の分をいただきますからv」
「って、自分の分には入れてないんですか!?…………離婚届どこですかーーーっ!こんな生活、絶対嫌ですーーーーっ」

でも、結局後で旦那様はちゃんと完食したそうです(笑)

結論
愛さえあれば、らぶいずおっけー。

柘榴×千秋編

「不幸の切符とやらがミケから送られてきたが……どういうことだ、っと。ここか」
旦那様は我が家を見上げます。
「激しく……嫌な予感がする。コレは一体!」
扉を前に、しばし悩みますが。
「……くそっ、選択肢がない……いざ!」
がっと扉を開けた瞬間に、がっつりと捕らえられ、悲鳴を上げながら引きずり込まれる旦那様。ご近所は既に見ないふりに入っています。
「ふふふ、おかえり、千秋君、いや、ダーリン」(←モザイク)
「ぎゃあああああああああああ」
「どうした?愛らしい新妻の出迎えに何を怯えている?」(←モザイク)
「なんだ、それはぁぁぁぁっ!」
「何って、決まっている。裸エプロンだ」(←モザイク)

映像の一部が大変お見苦しいこととなって、申し訳ございません。

「いいから、服を着ろ!全国ネットだぞ!?放送できなくなる!」
「仕方ない、食堂で少し待ちたまえ」

間。

「これでどうだ」
「割烹着か、うむ、ぎりぎりOKじゃあないだろうか……裸割烹着ではないだろうな!?」
「まさか。うむ、それでは。ダーリン、飯にするか、風呂にはいるか!そうか、私か!」
「すみませんごめんなさいご飯でお願いします」
番組の趣旨ですから。
「ごほん。で、3分間クッキングということだが、今夜は?」
「スッポンだ」
だん!
机の上でわきわきしています。鮮度抜群です。
「スッポン鍋か?いや、まぁ、美味いことは美味いが、3分の手軽なクッキングか……?」
「まぁ、切って鍋にぶち込めばいいんだろうな、その場合は」
「違うのか?」
「当たり前だ!3分で喰える」
自信満々です。
「ほう、ではやってもらおうか」
ずらり、と長い得物を取り出した新妻は、ぺろりと刃に舌を這わせる。……恐怖を感じたスッポンは甲羅の中に閉じこもった。
「くっくっくっ、無駄なことを」
「おい、それはどうみても新婚家庭じゃないだろ!」
「いやいや、夫のために食材を捌くのも妻の仕事だろう」
とんとん、と頭の上の甲羅を軽く叩き続ける。不快に思ったスッポンが首を伸ばした、そこをぐっと手で捕まえ。

ごきゃ。

「くっくっくっ、新鮮だぞー、ダーリン」
「その手の包丁は、何に使う気だったんだ!?」
さぁ?
「さぁ、あーん、だ……」
「やめろ、止めてくれ!っていうか、ちょっと待て!あーんって、何故本体の方を口に押しつけようとする!?頭の方でじゅうぶ……ごぶっ」
「スッポンの生き血は、精力増進に良いんだ。くっくっく、これで夜の方はばっちりじゃないか、千秋君」

旦那様、血まみれですが。

「ごほっ、の、飲めるかーーーーっ!」
「そうか、では」
取り出したトマトを握りつぶして、口に突っ込みます。
「トマトジュースや赤ワインで割ると大変飲みやすいぞ。どうだね、愛を感じたかね!?」
「感じるかーーーーーーーっ」

その後の家庭内で何が起きたか、誰も、知らない……。

結論
精力剤は用法用量を良く読み、計画的に使いましょう。

ゼータ×ロッテ編

「たっだいまー!」
不幸のチケットは、彼にとっては幸運のチケットだったようで。
思い切りドアを開けると、褐色肌に白い裸エプロンの新妻。
「んふ、おかえりぃー。良いコで待ってたよ?なぁんて、きゃはは」
「…………」
「ゼータ?」
「…………くっ、こんな……夢みたいな事がっ!生きてて良かった!」
パラレルですから。
「大袈裟だなー。んで、どうする?ご飯、お風呂?それとも」
「勿論、ロッテだー!」

玄関入ってから3分後でした。

結論
早いと、嫌われますよ?

相川さんから何か頂きました(笑)
3分間クッキングだよ、というのは聞いていたんですが……不意打ち柘千です(笑)すてき!今我らのなかで一番ホットなカップリング?(笑)なんかもう……イイ!(笑)ただそれだけです…v(笑)
例によって、裸エプロン→「裸エプロンが魅力的なほど乳は(以下略)」→「覚悟はいいですかミケさん?」というやり取りの末にボツになったようですが(笑)確かに収拾はつきませんわな(笑)リリはお料理は出来なくはないですが、ミケさんへの嫌がらせへの情熱の方が上回ります(笑)