不必要だと、思っていたが。
姉が習っているときに、一緒に練習させられたことが、今更必要になるなんて思っていなかった。
「ちゃんと、簡単なステップくらいならできるんですね!感動しました」
「そりゃ、どうも。……本当に簡単なステップしかできませんけれど」
「いえいえ、全く駄目かもと思ってましたから、ちょっと株が上がりました」
「……ど、どうもありがとうございます……」
ゆったりしたワルツなら、どうにか。そうしてくるくる踊りながらミケは腕の中の少女を見下ろす。
「で、ちょっと休憩ということですが、休まなくて良いんですか?」
舞踏会に、いなくていいのかと問うてやれば、リリィは楽しそうに笑った。
「ずーーーーっといなくちゃいけない訳じゃないですからね。ワルツ1曲分くらい抜けても大丈夫でしょう」
「まぁ、そうですけれどね」
「1曲くらい、あなたと踊っても、いいでしょう?」
「…………もう少し、僕が練習してからなら喜んでと言えるんですけれども」
「まぁ?」
「前から分かっていたら、練習しておきましたけれども」
「でも、充分ですよ?」
2人きりで、別室で踊るだけなら。
彼の腕の中で波のように緩やかなステップを踏むだけなら。
「そう言うわけには」
「誰も見てないのに」
「あなたが、見てるでしょうが!……もっとちゃんと覚えておくんだった……リードできるくらいになっておくんだった。そうしたら」
苦く見下ろして、その後に続けて呟いたセリフは。
「……ふふ、じゃあ、練習しましょうか。わたくしと、一緒に」
嬉しそうに楽しそうに。リリィはその手を握って微笑んでやる。
「だーかーらー」
「他のひとの手なんか、握らないで欲しいものv」
「っ!」
「そうしたら、惚れ直したって思ってもらえたのに」
後書き7
萌(笑)
頑張って練習して、ちゃんとリードできるようになるといいね(笑)
ええもう、格好良くなれるといいね(笑)